タイトルには「中国の破壊力」と、いたずらに中国への恐怖を煽っておりますが、内容は非常に冷静に中国を分析しています。
いたずらに恐怖心を煽ることもありませんし、かといって中国の日本に与える影響を軽んじてもおりません。
まず著者は日本人にとって、何故中国が不気味なのかを分析します。その後、具体的に中国の軍事力や、共産党と軍隊の関係について解説します。
また、中国人の凶暴性が中国特有の競争原理に由来していることや、中国人の残忍さは本当なのかを確認します。
そして中国の環境問題と食品問題はどのように発生しているのか。
最後に、それでも中国に学ぶべき事は何か、日本はどのように対応すべきかについて考察していきます。
全体を通して、このやっかいな隣人である中国をテーマにしているにも関わらず、著者の語り口調は淡々としています。
それは著者の中国分析に対する自信の表れだと思われます。
第1章では、中国の怖さという印象は何に由来しているのかを分析します。
第2章では、中国人の凶暴さが、何に由来するのかを分析します。
第3章では、中国人の残酷さの実態と、その由来を分析します。
第4章では、現在中国が抱えている環境問題や食品の安全性に関する問題の解決がいかに困難であることかを説明します。
第5章では、中国の外交能力の高さを確認すると同時に、弱点を探ります。
特に鳩山元首相が、中国の外交ではなく、内政に利用されているのだ、という主張には、目を見張りました。
漠然と中国に対して恐怖を抱いている人には、お勧めの一冊です。