少し前に、似たテーマとして、
『悪韓論』室谷 克実
http://www.amazon.co.jp/dp/4106105160/
を読みましたが、この本に比べると今回の『韓国 反日感情の正体』はかなりマイルドな内容です。
すなわち、実際の韓国の一般国民は、韓国マスコミや知識人達ほど反日感情を持っていないという、著者の韓国で暮らして得た実感が強く主張されているからです。
街中を歩いていても、反日を実感出来ないとまで書いています。この辺りは実際に現地を視察してみないことには、にわかには信じがたいことですが、在韓30年の著者が述べるのですから、嘘だとも思えません。
それでは我々が目にし耳にするあのヒステリックなまでの韓国人の反日運動は何処に行ったのか。
それが本書には書かれています。
つまり、本書は韓国の反日感情が決して広く国民に共有されている訳では無い、ということを述べています。
以上の様に、著者は韓国が反日活動を続けることに対して、かなり同情的かつ寛大な立場を持って綴っています。
序章では、韓国の一般国民の間で反日感情が薄れていくことに焦る知識人達といった、決して反日感情が国民全体で共有されているのではない、という構図が述べられています。
第一章では、韓国では反日運動であれば、何でも許されるという風潮があり、法治国家ではなく情治国家であることが紹介されます。
第二章では、慰安婦問題が、韓国人特有の歴史観「有るべき歴史」により語られていることを解説します。
第三章では、竹島問題が、韓国にとっては、日本との疑似戦争であり、疑似独立戦争であることを論じます。
第四章では、常に日本を目標としてきた韓国が、いつまでたっても日本離れができないが故の反日感情について解説します。
第五章では、そもそも韓国が反日をはじめたきっかけは何か、また、経済事情次第で反日を休む都合の良さについて紹介します。
第六章では、韓国の歴史観が、「あった歴史」ではなく「有るべき歴史」である以上、いつまでも正しい歴検証などあり得ないし、必要とされていないことを分析します。
第七章では、韓国の経済発展や文化に、日本がいかに貢献してきたかを国民から隠し、優れたものは全て韓国起源であるとする「ウリジナル主義」について紹介します。
第八章では、韓国で本当の歴史や親日を表明することの危険と、親日を表明した韓国人が受けるバッシングについて紹介します。
第九章では、ビビンバを世界的な料理にしようと運動している韓国人の、日本料理に対する劣等感と対抗意識を見ていきます。
第十章では、東日本大震災で見せた韓国の親日支援活動は、あくまで見返りを期待して行われたと言うことを検証します。
第十一章では、同じ反日でも中国と韓国とでは質が異なり、韓国人が中国人の反日活動を見下して優越感に浸る構図を分析します。
第十二章では、反日感情や反日活動が行われる一方で、じわじわと韓国に浸透している日本の影響について検証します。
以上の様に、韓国のマスコミや政治家がヒステリックな反日的主張をしている一方、実際の国民はどうなのか、という疑問を持たれた方には、良い手引きとなる本です。