2014年03月13日

『ビットコイン事件簿──事件から見る仮想通貨の姿』[Kindle版]加来 秀一 (著)



Kindleストアより、拙電子書籍が発売開始されましたので紹介させていただきます。

『ビットコイン事件簿──事件から見る仮想通貨の姿』

2014年に入ってから社会現象化した仮想通貨ビットコインに関する事件を辿ることで、ビットコインとはどのようなモノなのかを探ろうとした内容です。

よろしくお願いします。


──以下、Amazon紹介文より──

2014年2月28日。東京にあるビットコイン(Bitcoin)取引所大手のマウント・ゴックス(Mt. Gox)が、東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理された。

 この事件が世界中で報道されると、それまで一部のITオタクや仮想通貨マニア、あるいは新しいもの好きな投機家や無政府主義者たちを中心にしか知られていなかったビットコインが、多くの人達に注目され、各国の政府すら無視できない存在となった。あるいは脅威となった。

 ビットコインとは何か。仮想通貨とは何か──。

 形の無い仮想通貨ビットコイン。その姿は、事件を辿ることで見えてくるだろうか…。


【目次】

はじめに
 ビットコインは見えるか
 プロローグ──七億円を捨てた男

ビットコインが踊り出す
 ビットコインとは何か
 ビットコイン発掘に悪用される攻撃
 ビットコインが違法取引に使用され、押収された
 ビットコイン番付は困難

ビットコインの影で暗躍する者たち
 ビットコインの取引履歴を隠してしまうダーク・ウォレットのリリースが近い
 ビットコインを発掘するマルウェアがばらまかれたYahoo広告
 ビットコインを資金洗浄に利用した二人を訴追。二五年から三〇年の禁固刑か
 ビットコインに規制 ニューヨーク州で米国初

広がり続けるビットコイン
 ビットコインのトレーダーという職業
 アリババ、ビットコイン禁止 中国での規制状況
 ビットコインに続く仮想通貨のゴールドラッシュ
 ビットコインがいよいよスポーツ業界へ

ビットコインの普及とトラブル
 お年玉はビットコイン 香港で道行く人にビットコイン配る
 米アップルがビットコインアプリのBlockchainを取扱停止に
 ビットコイン急落 マウント・ゴックスが換金と引き出し停止
 ビットコインを使えるカジノホテル登場 でもカジノではまだ使えない

ビットコインは安全か
 インドネシア、ロシアと続けてビットコインを非合法化
 ビットコインがサイバー攻撃で取引停止
 ビットコインが持ち逃げされた シルクロード2.0のスタッフが犯人か?
 ビットコインのオフライン保管サービスが登場した しかも保険付きで

揺さぶられるマウント・ゴックス
 米国で初と成るビットコインATMが開設される
 マウント・ゴックスのCEOマルク・カルプレスがビットコイン財団の理事を辞任
 ビットコインを不正入手するウィルス「ポニー」
 マウント・ゴックスが夜逃げしたのか? ビットコインの最大取引所停止で約三七五億円消滅か

マウント・ゴックス破綻の前兆
 マウント・ゴックスの取引停止について、必要なら対応検討すると財務副大臣
 マウント・ゴックスのサイトにマルク・カルプレスCEOから「まだ日本にいる…」
 「東京ビットコイン会議」参加者の失望と期待
 シンガポールにビットコインの交換機設置される

危険視される仮想通貨
 米議員がビットコインを「危険な通貨」と規制強化求める
 イエレン議長、FRBにはビットコインを監督する権限はない 議会が検討すべき
 麻生財務相「破綻すると思っていた」ビットコイン問題で省庁集め実態把握に
 ビットコインでのマネーロンダリングは州法違反になるのか 弁護士が異議有り

マウント・ゴックスの破綻
 マウント・ゴックス破綻 民事再生法が受理される
 マウント・ゴックスに対して、米で集団訴訟の可能性
 専門家が指摘するマウント・ゴックス側の過失
 ビットコインの規制を歓迎するユーザーたち

失われるビットコイン
 ビットコインで約三億七七〇〇万円の評価損を出した米投資会社
 海外のビットコイン取引業者もサイバー攻撃を受け、取引停止
 政府、ビットコインに対する見解固める ビットコインは「モノ」
 ウィンクルボス兄弟がビットコインで宇宙旅行を予約

政府の見解
 ビットコイン取引所のCEOが不審死
 ビットコインの生みの親「中本哲史」接触! ニューズウィーク誌スクープ
 ビットコインは通貨では無い 政府見解決定
 本物のサトシ・ナカモト登場?

後書き



posted by しげぞう at 22:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

『職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法』上阪徹



前回読んだ『書いて生きていく プロ文章論』が大変面白かったので、引き続き同じ著者である上阪徹氏の著書を読みました。

Amazonのレビューでは酷評と絶賛が半々となっておりましたが、私の評価は高く付けさせていただきます。

酷評している人の指摘は、自慢話ばかりで肝心のノウハウが書かれていない、ということと、文章が下手ということですが、彼らはいったい何を読んだのでしょうか。

確かに冒頭で著者が「ブックライター」という職業のおかげで同年代のサラリーマンの数倍の収入(15年で4億円以上の売り上げ)を得ていることや、高級住宅街に住んでいること、外車を2台所有し、取材時のスーツはアルマーニで有ることなどが述べられていますが、これらは著者がいかにハードワークに耐え、信頼を勝ち取り、仕事の効率を高める工夫を怠らず、品質の高い仕事をキープしてきたかということの結果でしかないことがきちんと書かれています。

つまり著者は、「ゴーストライター」の社会的地位を高めるために「ブックライター」という職業名を提唱していることからも、まずは本としてキャッチーな分かり易い成功談から書き始めたに過ぎません。

しかも「ノウハウがない」と批判している人は冒頭の著者の生活振りに嫉妬してしまったためか、その後しっかりと高品質の本を大量に効率良く執筆し続ける著者のノウハウがぎっしりと詰まっていることに気付かなかったのでしょうか。

本でなくとも、ビジネス文書にも十分役立つノウハウがてんこ盛りの本です。いや、仕事術の本としても役立ちます。

また「文章が下手」という批判をしている方にも、この本の読みやすさ、分かり易さに接しながら、どうしたら下手だと感じたのかさっぱり理解出来ません。

本書の文章は、流石ベストセラーライターの文章と感じさせるには十分過ぎるほど、読者の目線で分かり易い工夫がされています。

さて、著者が「ゴーストライター」ではなく「ブックライター」であると主張しているのは、あくまで著者はコンテンツを持っている人(この場合、取材を受けた側の人)であり、自分はそのコンテンツを本に印刷できる文章として引き出したに過ぎないからだ、と述べています。

従って、ブックライターの使命と社会的な存在意義は、せっかく社会に役立つコンテンツ(経験、情報、ノウハウ、人生観など)を持っていながら、(技術的に、あるいはスケジュール的に)文章が書けない、という理由で、世の人々の役に立つコンテンツが世の中に出ずに終わらせてしまう人(著名人など)から、コンテンツを引き出して読める形にすることだ、と著者は主張しているのです。

ですから、「ゴーストライター」といった後ろ暗い職業名は辞めるべきであるし、実は実入りの良い仕事であることも世間に公開することで、若い人達に夢を持って欲しいとして執筆したことが良く分かる本です。

ただ、上阪氏は、非常に取材能力に長けている人だと思いますので、誰でも「ブックライター」になれば儲かるとは思えません。

上阪氏が特別に出版業界から信頼・評価されているのは、常に半年先まで執筆予約が埋まってしまっていることからも分かります。

しかも上阪氏はこの仕事を始めてから営業をしたことは一切無いと言います。

それでも上阪氏がただ者ではないのは、どんなに仕事を依頼されても、徹夜はしない、土日は休む、年に2回は家族と海外旅行に出かける、というライフスタイルを維持していることでしょう。

結局、文章を書く上でのノウハウが満載の本ではありましたが、どうしても著者個人の才能が、売れっ子であることの最も大きな理由ではないかと思えてしまう読後感は残りました。

とはいえ、結論としては、文章を書く人には自信を持ってお勧めできる本です。

私には、大変勉強になりました。


posted by しげぞう at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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