2014年10月30日

『[改訂版]ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田 和也



出版社による内容紹介では、大量のインプットとアウトプットは「ビジネスマンに有効」だ、と書かれており、ビジネスマンに対して売りたいという目論みが分かりますが、実際に読んでみれば、本書はがっつりと「物書きを目指す人であれば参考になる」本だと思いました。

本書では、大量にインプットして大量にアウトプットしている物書きとしての著者のノウハウや仕事に対する姿勢、また私生活などについて書かれた本であり、広くビジネスマンに参考になるとまでは思えませんでした。

ただ、文章を書く事が中心の仕事をしている人や、物書きを目指している人には、目新しくはありませんが、「やっぱりそうだったか」と改めて考えさせてくれるヒントが満載ですので、一読して損は無いと思います。

また、タイトルの「百冊読み、三百枚書く私の方法」については、具体的なノウハウが紹介されているわけでは無く、本を読む際には目的を持つことや、読んだ本からどのように情報を集めるべきかという点で、著者の心構えについて書かれている程度ですから、やや出版社側の誇大タイトルとも言えます。

それでも基本的な情報収集術や読書術など、物書きを目指すのであれば最低限知っておかねばならないであろう事は抑えることが出来ます。

また、物書きを目指す人にとっては、物書きの生態を垣間見ることができる、という意味で、おもしろくあっという間に読める本でしょう。

本を効率良く読む心構え、抜き書きによる情報収集のコツ、新聞やインターネットとの付き合い方、取材の準備とメモの取り方、プロの文章を分析する方法など、物書きを目指す人には参考になる情報がたくさん盛り込まれています。

従いまして、ビジネス書というよりも、物書きの先輩からコツを聞きたい人にお勧めの本です。


posted by しげぞう at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。