本書は発売と同時に爆発的に売れた本でしたが、テレビドラマ化されたものを先に見てしまったこともあり、読んでいませんでした。
しかし、たまたまKindleストアで399円の電子書籍となっていることを知ったため、安いと思い購入してみました。
読んでみると、古田新太がガネーシャを演じ、主演の駄目サラリーマンを小栗旬が演じたテレビ版が、実はかなり原作に忠実だったことを知り驚きました。
テレビ番組は笑いを取るためにかなり脚色されているのかと思っていたのですが、原作自体が非常に笑えるコミカルな作品だったのです。
そのため、読みやすく、疲れること無く一気に読み終えてしまいます。
本書は自己啓発書でありながらも、物語仕立てとなっています。
つまり、一人の平凡以下のサラリーマンが、ガネーシャのアドバイスを受けているうちに人間として成長していくというストーリーです。
書かれている自己啓発の内容は、割合に平凡でありふれていると言っても良い陳腐なものですが、それを笑える物語の形で解説しているところが、秀逸です。
とにかく、説教じみて退屈してしまいそうな自己啓発のアドバイスを、読者を飽きさせること無く、笑わせながらも納得させていく巧みさに敬服しました。
また、実在の著名人や歴史上の人物の逸話などが、ガネーシャのコミカルな語り口調で非常に巧みに引用されているところも感心しました。
今の生き方に疑問を感じている読者にとっては、夢と戒めと、激励を与えてくれる、エンターテインメント化された自己啓発書として、良くできた本だと思います。
最後は、目頭が熱くなるほど感動しました。ベストセラーであることに納得しました。