2011年06月10日

『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』宮崎正弘



ジャスミン革命に始まった中東、北アフリカの民主化運動は、その性質は国ごとに異なるものの、間違いなく近隣諸国へのドミノ倒しの様に広がりつつあります。

そこには、各国の現体制や経済格差問題、民族格差問題、宗教格差問題など、様々な要素が現体制への批判運動のエネルギーとなっています。

この民主化運動を恐れる現体制は、当然ながら北アフリカ諸国ということになり、その地域に注目してしまいがちですが、本書では、この民主化運動を最も恐れている国として中国に注目しています。

果たして中国は、北アフリカに広まる民主化運動の影響を受けて、反体制運動が活発になるのか、それとも一党独裁の共産党政権は、巧みにこの反体制運動を押さえ込んでいけるのか。

本書での結論はネタバレになってしまうので、ここでは書きませんが、後半はたたみかけるように中国の現政権内で何が起きているのかを明らかにしていきます。そして、今後の中国がどうなるかの予想をしてみせています。

全体的に、非常にアップテンポで駆け足に、これまで起きた北アフリカでの民主化運動を広地域に渡って追いかけており、もう一度全体を俯瞰したい、という人には1冊で一連の民主化運動や中東北アフリカ諸国の動きをおさらいできる本だと言えます。

また、その間の米国の思惑などについても触れられていますので、中東北アフリカの問題が、その地域だけの問題ではないこと解説されています。

ただ、より深くこの民主化について、いったい何が起きているのか、ということを知るためには、おそらく国ごとに1冊の本が必要になってしまいそうです。

文章は少々荒削りな印象を受けるため、読んでいてもつい読み飛ばしてしまいがちになりますが、中東北アフリカの民主化運動に関するダイジェスト版の解説書としては手頃だと思います。




posted by しげぞう at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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