2011年07月07日

『ふしぎなキリスト教』橋爪大三郎, 大澤真幸



おもしろい対談本でした。

日本人には確かに不思議でならないキリスト教について、そのベースとなったユダヤ教から解説していきます。

この本のおもしろさは、対談している二人が社会学者であり、宗教家やキリスト教学の専門家ではない点です。

そのため、対談の中には、歴的認識の誤りや、宗教的解釈の薄さ、儀式などに関する知識不足があちらこちらに見られますが、そのあたりは素人の対談と言うことでご愛敬と言えるでしょう。

この本のおもしろさは、質問者がまさに素人丸出しの素朴な質問(しかし鋭い)を繰り出す点にあります。

それを、宗教家としてではなく、社会学者として答えていくあたりがおもしろく読めます。

素朴な質問として、本の帯にも書かれていますが、

・どうして神が一つなのか
・ユダヤ教徒キリスト教はほとんど同じ?
・預言者とは何者か?
・イエスは結局、神か、人か?
・なぜイエスは処刑されたのか?
・福音書が複数ある理由
・奇跡は本当にあったのか?
・カトリックとプロテスタントの違いは?

などなどです。

いずれも、キリスト教について詳しくない人々には、知的好奇心を満たしてくれる対談となっています。

ただ、物足りなかったのは、プロテスタントの精神が資本主義を生み出したというマックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をベースにした解釈についてでした。

この部分は実は対談しているお二人とも良く理解できていないようです。これもご愛敬と言うことで、読んでいて苦笑してしまいました。

私がキリスト教を比較宗教学的アプローチによって興味を持ったのは、故小室直樹先生の一連の宗教関係の著書でしたが、さすがにこのお二人は小室先生ほどの理解や解説を行うには力及ばずといったところでしょうか。

それでも(誤った解釈も含めて)入門書としては、退屈しないおもしろい本に仕上がっていると思います。




posted by しげぞう at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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