2013年12月23日

『2014年 世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機』三橋貴明



このところ読書が進まず、積ん読が増えていましたが、本書は優先して一日で読みました。

というのも、三橋貴明氏の本はこれまでポジティブな明るく希望的なタイトルが多かったのですが、今回は珍しく危機感を煽るタイトルだったからです。

ずばり本書は、金融緩和と財政出動というパッケージでデフレ脱却を目指すとして選挙に臨んだ安倍晋三首相を、著者はかなり力を入れて応援していました。

しかし後安倍晋三政権が誕生すると、実際には著者が支持していた公約はことごとく翻されてしまいます。

ですから帯には書かれています。

「変節したアベノミクスが招く悪夢のシナリオ」

いや、著者だけではありません。自民党を支持した人たちの多くが、デフレ脱却に対する政策に期待し、あるいは金融資本主義や株主資本主義、グローバル資本家たちから日本を守るとして安倍晋三首相が提言した「瑞穂の国の資本主義」を支持したはずです。

ところが首相に就任した途端に安倍内閣は、TPP、消費税増税、規制緩和といった真逆の制作を打ち出します。

これではデフレ脱却は愚か、日本の主権や国益をグローバル資本家達に売り渡しかねません。

いったい何が安倍晋三首相を変節させたのか。

著者は、ここに世界の経済論争が影響していることを示します。

つまりそれは、ケインズの流れを汲むデフレを総需要の不足と解釈する芸在学と、デフレは貨幣現象であるとするフリードマンの流れを汲む新古典派経済学の論争なのだと。

そして現在は、残念ながら新古典派経済学(というより宗教だと思うが)が、世界を席巻してしまいました。

そして安倍内閣も、いつの間にか忍び込んだ竹中平蔵のような新古典派経済学者であり政商(彼はパソナグループ取締役会長)でもある人物や、楽天の三木谷浩史の様な国家よりも商いを優先する亡国の徒にミスリードされるようになってしまいました。しかも彼らは選挙で選ばれたわけでもない、民意と無関係な者たちです。つまり、政商です。

この状況に、さすがの三橋貴明氏も、大きな危機感を持たれたわけです。

そして本書では、陰謀論など全く無視してきた三橋氏ですが、いよいよ世界を動かしている者たちの存在を無視できなくなってきた状況が分かります。

世界を動かしているのは誰か。既に副島隆彦氏などは多くの著書で名指ししていますが、三橋氏もその存在を明確にしかけているようです。。

第一章では、消費税増税に踏み切るなど、変節したアベノミクスがどれほど致命的な政策ミスとなるのかを解説します。

第二章では、安倍晋三が目指している政策は、売国的行為であることを解説します。

第三章では、アメリカに迫りつつある大きな危機について解説します。

第四章では、ドイツの凋落とユーロの崩壊を予想します。

第五章では、韓国のデフレと中国のバブル崩壊を予想します。

第六章では、世界と日本に仕掛けられたある勢力たちの罠を浮き上がらせます。

第七章では、いよいよ日本の国民を守る最後の戦いが始まったことが告げられます。

三橋氏がこれまでとは異なり、大きな危機感と使命感を持ってかき上げた本書は、単に経済政策への提言ではなく、民主主義の危機をも訴えています。

できるだけ多くの日本人に本書を読んで欲しいと願っております。


posted by しげぞう at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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