2014年05月06日

『調べる技術・書く技術』野村 進



前回2冊続けてゴーストライター(ご本人はブックライターという名称を提唱)の上阪徹氏のライターとしてのノウハウや考え方について読み、大変面白く為にもなったという満足感があったのですが、同氏の仕事はとにかく著名人に会って、話を聞いて本にまとめるという、かなり狭い範囲のゴーストライターを対象にした内容でした。

そこで今度は、ルポライターという、とにかく資料を調べ、人に会い、現場に行き、そして集めた情報を記事にまとめるという、より多くの技術を必要とする仕事についての技術についてまとめた著書が読みたくなり、野村進氏の『調べる技術・書く技術』を読んでみました。

結果、これまた非常に満足しました。ルポライターの大変さがわかると同時に、それを乗り越える好奇心とプロ根性、そして情報収集能力と技術に驚嘆しました。

本書は大変に読みやすい文章の見本でもありますが、惜しげも無く紹介されているルポライターの現実とノウハウは、当たり前ですが、ベテランのルポライターでなければ書けない凄みのある内容となっています。

しかし本書に書かれている情報収集術と記事にまとめる技術は、一般人にも役に立つと思われます。

また、一次情報に接することの重要性と難しさについても改めて教えられました。

本書の読みやすさは、章タイトルを見るだけでも分かります。章タイトルが、そのままルポライターの実践すべき手順になっているからです。

 第一章 テーマを決める
 第二章 資料を集める
 第三章 人に会う
 第四章 話を聞く
 第五章 原稿を書く
 第六章 人物を書く
 第七章 事件を書く
 第八章 体験を書く

そして著者がルポライターを続けてきたことで得られたことが最後に記されています。

その本文の最後の文章が感動的でした。ネタバレにならないように、本当に最後の一文だけ紹介します。

「この仕事を四半世紀も続けてきて、ひとまずたどりついた結論は、自分でも拍子抜けするほどシンプルなものであった。」

どのような結論であったかは、本書を頭からお読みいただけると納得できます。私は感銘を受けました。

ルポライターを目指さなくとも、文章を書くことがある人にはお勧めしたい本です。


posted by しげぞう at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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