2014年12月24日

『破綻する中国、繁栄する日本』長谷川 慶太郎



中国が破綻する、というタイトルに、何故だ? と思い買いました。

一方、日本が繁栄する、という予想は眉唾物です。

私はアベノミクスを経済政策としては支離滅裂(デフレ脱却とグローバリズムという矛盾、あるいはデフレ脱却と財政均衡主義という矛盾を抱えているため)だと考えていますので、現状のままでは失敗するであろう事を予想しているからです。(失敗を望んでいる者たちが成長戦略会議に居るとみています)

本書では、まず北朝鮮の張成沢が粛清された事件から、中国で何が起きているかを読み取ってみせるということを、序章から始めることで、世界情勢は意外なところに読み取るヒントがあるのだよ、ということを示唆して始まります。

とにかく平易でて読みやすい文章が続き、著者が迷うことなく複雑怪奇な国際情勢をずばずばと切っていく様は、読者に快感を与えてしまいますが、注意が必要です。

確かに本書では、通常のニュースでは知り得ない情報が惜しげも無く紹介されており、それらの事象から中国の実態はこうである、とマシンガンで壁を破壊していくように気持ち良く暴いていきます。

しかし、読みながら首を傾げてしまう部分も多く、著者が力強く主張している予測が当たるかどうかは、かなり疑問が残ります。

例えば、中国の人民解放軍が自衛隊に勝てない、ということを、それぞれが保有している兵器の性能や兵士・隊員の熟練度の比較を根拠に主張しておりますが、そこには自衛隊の憲法上の縛りや、中国の核兵器の存在、そして日米安全保障条約の限界については全く考慮されていないように感じられるからです。

通常のニュースでは得られない中国の様々な実態が紹介されている部分は目を見張るものも有り、中国なんてさっさと潰れてしまえ、と願っている読者にとっては気持ちの良い本ですが、時々首を傾げながら読んだ方が良さそうです。

さらに著者が絶賛している安倍政権の経済政策については、私は首を傾げっぱなしでした。

以上、日本の繁栄についてはかなり疑わしい本ですが、中国の実情を知るには、分かり易い本だと言えます。


posted by しげぞう at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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