2014年12月26日

『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』斎藤貴男



以前、本書の著者である斎藤貴男氏の『消費税のカラクリ』という本を読み、非常に優れたジャーナリストであると感銘したため、本書を購入してみました。

実はタイトルに反発して購入したという、妙な動機もあります。

私は個人的には、日本は「戦争のできる国」になるべきだと考えており、それこそが不要な戦争を回避でき、平和維持に必要だと考えているのですが、敢えて反対意見を主張している斎藤貴男氏の考えを知りたくて読んでみたのです。

感想としては、分かり難い上に、平和ボケしているという少々残念な印象を受けました。

詳細は記しませんが、斎藤貴男氏は、「戦争ができる国=戦争する国」あるいは「戦争ができる日本=米国のポチ」という単純で懐かしいお左翼的な主張を行っています。

しかも本書に書かれた根拠では、当方は説得させられることがありませんでした。

「戦争ができる国=戦争する国」は余りに短絡的な恒等式です。

当方は平和を、「戦争ができない均衡状態」であると考えておりますので、例えば中国から見れば、勝てると分かっている戦争なら仕掛ける可能性がありますが、相手(日本)が手強い武装をしている、あるいは日米同盟が邪魔だ、と判断すれば、リスクがあるため戦争状態を回避するであろうと考えているのです。

この場合、「戦争ができる国=戦争を回避できる国」という仮説を著者は全く検証していません。

また、軍事力的にも憲法解釈的にも非力な日本が、しばらくは米国のポチでいる必然性があるのではないか、ということも当方は考えており、そのことに対する反論も用意されていませんでした。

以上、取材や情報収集には力が入っていましたが、現実的な安全保障をどうするのか、という視点が抜け落ちた様な本だという感想を持ちました。


posted by しげぞう at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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