2014年12月31日

『愚韓新論』三橋貴明



本書はタイトルとは異なり、世間で流行っている嫌韓ものではありません。あくまで経済的な分析本です。

著者の三橋貴明氏はそもそも、世間が韓国に学べ、と絶賛していた最中に、韓国経済の危うさを分析して見せたことで注目され、論壇にデビューした人ですから、本書での韓国経済分析も、微塵の迷いも無く冴えまくっています。

著者は基本的に経済評論家ですが、本書の後半では政治と歴史から韓国を論じています。

後半も十分に興味深い内容ですが、おおむね韓国を論じた他の著者の類書と重複する内容となっており、やはり前半の経済分析が三橋氏ならではの切れ味の良い内容となっています。

著者は韓国が資本財の輸入などで日本に依存しており、日本は韓国無しの方が内需拡大というメリットすらあることを指摘しています。

また、GNPの7割以上を外需に依存し、さらにGNPの約3割がサムスン電子一社に依存しているという歪な経済構造を指摘します。

しかも韓国で儲かっている企業の資本はほとんど外国人投資家に握られており、韓国の国民を豊かにする構造にはなっていません。

グローバル競争に勝つためには、自国の労働者の賃金は安く叩ける方が良いからです。

また、韓国がデフレに突入していることや、雇用統計で発表されている失業率が全く実態を示していないことなども暴いています。

恐らく韓国に反韓を持つ読者は、全編を通して、韓国経済や韓国社会の劣化を、優越感を感じつつ読むことでしょう。

しかし、私は本書を読んでぞっとしたのです。

ここで語られている韓国の悲惨な現実は、まさに今、安倍政権(というか竹中平蔵たち成長戦略会議の輩)が目指している社会や経済構造ではないかと。

一部の読者は、本書で暴かれている韓国の現状を知ることで、日本の行く末に寒気を感じるのではないでしょうか。


posted by しげぞう at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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