2014年12月31日

『裏天皇の謎と安倍晴明』斎藤 忠



長いこと気になっていたことがありました。何故、安倍晴明の子孫達が「土御門」家を名乗っていたかと言うことです。

「土御門」とは「つちみかど」と読みますが、なぜ、「つち」プラス「みかど」なのか。

そんな長い間の疑問に答えてくれたのが本書です。ただし、本書に述べられていた「土御門」の謎解きは、予想を遙かに超えた緻密さと壮大さを持っており、読み出しからいきなりこちらのキャパを超える情報量が伏線として飛び出してくるため、読み進めるのが結構骨でした。

それでも盲点となっていた情報が次から次へと引き出され、読み進めるほどに興味深い仮説が浮かび上がってくるおもしろみがあるので、読み始めると止められません。

まず、安倍晴明が関東出身であるという伝承を検証することから始まりますが、安倍氏のルーツを辿ることで、いきなり大和朝廷とは別の勢力が存在したことを浮かび上がらせます。

これに続いて平将門が蜂起した背景と、阿部一族の関わりが検証されます。

関東に痕跡を残す太陽信仰と安倍氏の関係、素戔嗚尊と安倍氏の関係が検証され、消された太陽信仰と安倍氏が、実は歴史の裏で生き続けたことを明らかにします。

そして天皇家は果たして途絶えることがなかったのか、という疑惑と、安倍晴明が何故、朝廷で重んじられたのかについての謎解きが進む内に、安倍晴明が後世に仕掛けた壮大な呪術の正体が明らかになります。

安倍晴明に関する本は数多くありますが、何故、安倍晴明が後世に名を残す陰陽師となれたのか、または死後すぐに神として祀られたのかについて、本書ほど深く掘り下げたものはないかもしれません。

安倍晴明ファンには必読の書です。


posted by しげぞう at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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