少々乱暴ではありますが、本書のメッセージを一言で表すとすれば、「現在の日本のあり方は、敗戦国であるということを再認識すれば理解出来る」とい言うことでしょうか(間違っているかもしれませんが)。
まずは、日本が敗戦国になったとき、戦勝国によって何が行われたのかを知らなくてはならないと本書は主張しています。
本書には、歴史の教科書では触れられていない驚くべき歴史認識が書かれています。簡単に紹介すると以下の様な事柄です。
・敗戦時の日本には、アジア全域から貴金属が集められていた。
・天皇家が戦争関連株で巨額の富を得ていたことを、GHQは「天皇はマネーギャングだ」と呼んでいた。
・教科書では財閥が解体されたと教えられる。それならば現在ある巨大企業が三菱、三井、住友の名の下に存在しているのは何故か?
・天皇家の財産は敗戦時、緊密な関係にあった赤十字を経由してBISに流れていた。
・当時の米軍のトップの経歴を洗うと、皆ウォール街出身である。これは何を意味するか?
・米国でも違憲判決が出されていた累進課税を日本に導入した理由は何か?
・NHKの生みの親がGHQであることは何を意味しているか?
・通商産業省を設立した立役者はドッジだったことの意味は?
・経済企画庁の前身はGHQの民政局であるGSが、ある意図を持って設立していた。
・東京地検特捜部もGSが、ある意図を持って設立していた。
さて、以上は本書で扱っているテーマの一部ですが、これだけ見ても、いかに日本が敗戦国であることを忘れているかということを痛感させてくれるのではないでしょうか。
さて、苫米地氏が最後の方で、日本が国連を脱退すべきであるという、驚いたことに私と同じ意見を主張されます。
しかしそれからどうするか、という部分が苫米地流です。これについてはネタバレになってしまいますので、伏せておきます。
現在の日本に皆さんがうすうす感じている歪みの原因について、もしかしたら本書を読むことですっきりするかもしれません。
まさに、戦後は「洗脳史」だからです。
【関連する記事】
- 苫米地英人著『新装版 現代洗脳のカラクリ』
- 戸谷友則著『宇宙になぜ、生命があるのか 宇宙論で読み解く「生命」の起源と存在』
- 『崩れゆく世界 生き延びる知恵』副島 隆彦, 佐藤 優
- 『明治維新という名の洗脳 150年の呪縛はどう始まったのか?』『洗脳経済 150..
- 『日本とユダヤ 聖徳太子の謎』久保 有政
- 『東大医学部生だけが知る 超・知的生産法』岩波 邦明
- 『賢者の戦略』手嶋 龍一, 佐藤 優
- 『移民亡国論: 日本人のための日本国が消える! 』三橋 貴明
- 『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』松尾 匡
- 『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』ちきりん
- 『カタリ派: ヨーロッパ最大の異端』アンヌ・ブルノン
- 『知的生産の技術とセンス ~知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術~』堀 正岳, ま..
- 『平和ボケした日本人のための戦争論』長谷川慶太郎
- 『夢をかなえるゾウ』水野敬也
- 『創価学会と平和主義』佐藤 優
- 『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』日高 義樹
- 『魔女狩り 西欧の三つの近代化』黒川 正剛
- 『釈迦とイエス 真理は一つ』三田 誠広
- 『「フルベッキ写真」の暗号』斎藤 充功
- 『新史論/書き替えられた古代史 3 聖徳太子と物部氏の正体』関 裕二