大晦日に読み終えるにふさわしい本だった。
DNA、アミノ酸、分子、原子、電子、10の36乗分の1秒といった微細な世界から、138億光年のその先や観測可能な宇宙の10の26乗倍の広大さといった視点を光速で移動させねばならないような壮大なスケールの話である。
もう、感動しすぎて言葉が出ないので、著者のあとがきから言葉を拝借したい。
“その生命の神秘さの源泉は、物理法則の向こうに、奥深くほの暗いものとして、我々の手が届くのを頑なに拒んでいる”
それにしても息を呑んだのは、宇宙物理学と天文学が専門の著者の文章の巧みさと深みだ。日頃、数式や観測データ、論理と向き合っている人とは思えないほどの趣深い文章なのだ。
戸谷氏の文章を読んで、ポケットにはいるこんな小さな本が、途方に暮れてしまうほどに壮大な世界を易易と眼の前に広げて見せているのだ。
息を呑むほどの良書だった。
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