2014年12月31日

『裏天皇の謎と安倍晴明』斎藤 忠



長いこと気になっていたことがありました。何故、安倍晴明の子孫達が「土御門」家を名乗っていたかと言うことです。

「土御門」とは「つちみかど」と読みますが、なぜ、「つち」プラス「みかど」なのか。

そんな長い間の疑問に答えてくれたのが本書です。ただし、本書に述べられていた「土御門」の謎解きは、予想を遙かに超えた緻密さと壮大さを持っており、読み出しからいきなりこちらのキャパを超える情報量が伏線として飛び出してくるため、読み進めるのが結構骨でした。

それでも盲点となっていた情報が次から次へと引き出され、読み進めるほどに興味深い仮説が浮かび上がってくるおもしろみがあるので、読み始めると止められません。

まず、安倍晴明が関東出身であるという伝承を検証することから始まりますが、安倍氏のルーツを辿ることで、いきなり大和朝廷とは別の勢力が存在したことを浮かび上がらせます。

これに続いて平将門が蜂起した背景と、阿部一族の関わりが検証されます。

関東に痕跡を残す太陽信仰と安倍氏の関係、素戔嗚尊と安倍氏の関係が検証され、消された太陽信仰と安倍氏が、実は歴史の裏で生き続けたことを明らかにします。

そして天皇家は果たして途絶えることがなかったのか、という疑惑と、安倍晴明が何故、朝廷で重んじられたのかについての謎解きが進む内に、安倍晴明が後世に仕掛けた壮大な呪術の正体が明らかになります。

安倍晴明に関する本は数多くありますが、何故、安倍晴明が後世に名を残す陰陽師となれたのか、または死後すぐに神として祀られたのかについて、本書ほど深く掘り下げたものはないかもしれません。

安倍晴明ファンには必読の書です。


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『15歳若返る脳の磨きかた』苫米地英人



元々できの良くない頭が、加齢でさらに劣化していくことに不安を抱いている時に、本書のタイトルを書店で見つけて購入してしまいました。

頭が良くなることはもう期待していないので、せめて、これ以上悪くならないようにという願いを込めた訳です。

さて、本書の前書きは、いきなり読者に問題を突きつけます。抗がん剤で苦しい生き方を強制されている患者が、当局と製薬会社の利益の犠牲になっているという構図を明らかにしたり、気付いていない振りをしていたはずの、国家に搾取されている人生のカラクリを突きつけられます。

「何が自分の人生にとってメリットか、その根本を考え直し、再構築されることが求められている」

と苫米地氏は語り出します。

次に「命の質」とは何か、ヨーガの行者の例を挙げて読者の再考を促します。

そして前書きは、「脳の格差」社会が訪れることを予言して、読者が本を読むモチベーションを高めています。

そして本書に入ると再び「え?」という疑問を突きつけられます。

「寿命で死んだ人はいない」

思わずどういうことだ、と読むスピードが上がります。

苫米地氏は読者を追い立てるのが上手いですね。

この後、脳の老化について解説し、脳の若さを保つ方法へ進め、脳が若返る習慣を紹介していきます。

さて、ネタバレになるので、脳の若返り方法については書きませんが、いずれもかなり難しい方法が紹介されています。

その中でも一番簡単そうなのが、小説と漫画以外の「読書」です。なぜ小説と漫画以外なのかは本書に書かれています。

「あ、これならできそうだ」

と思ってはいけません。苫米地氏が課すのは、月に100冊を、まずは3ヶ月続けろ、ということだからです。

なぜ3ヶ月なのかは本書に書かれています。

ちなみに苫米地氏は1日に20〜30冊よんでいるとのことですから、読者に対してはかなり手加減しているわけです。

さすがに無理だな、とは思いつつも、時間と経済力と能力が現実的な範囲であれば、もう少し読書量を増やそうかなぁ、と思った次第です。

ちなみに、脳が若返ると見た目も若返るそうです。

ということで、読書せねば。


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『愚韓新論』三橋貴明



本書はタイトルとは異なり、世間で流行っている嫌韓ものではありません。あくまで経済的な分析本です。

著者の三橋貴明氏はそもそも、世間が韓国に学べ、と絶賛していた最中に、韓国経済の危うさを分析して見せたことで注目され、論壇にデビューした人ですから、本書での韓国経済分析も、微塵の迷いも無く冴えまくっています。

著者は基本的に経済評論家ですが、本書の後半では政治と歴史から韓国を論じています。

後半も十分に興味深い内容ですが、おおむね韓国を論じた他の著者の類書と重複する内容となっており、やはり前半の経済分析が三橋氏ならではの切れ味の良い内容となっています。

著者は韓国が資本財の輸入などで日本に依存しており、日本は韓国無しの方が内需拡大というメリットすらあることを指摘しています。

また、GNPの7割以上を外需に依存し、さらにGNPの約3割がサムスン電子一社に依存しているという歪な経済構造を指摘します。

しかも韓国で儲かっている企業の資本はほとんど外国人投資家に握られており、韓国の国民を豊かにする構造にはなっていません。

グローバル競争に勝つためには、自国の労働者の賃金は安く叩ける方が良いからです。

また、韓国がデフレに突入していることや、雇用統計で発表されている失業率が全く実態を示していないことなども暴いています。

恐らく韓国に反韓を持つ読者は、全編を通して、韓国経済や韓国社会の劣化を、優越感を感じつつ読むことでしょう。

しかし、私は本書を読んでぞっとしたのです。

ここで語られている韓国の悲惨な現実は、まさに今、安倍政権(というか竹中平蔵たち成長戦略会議の輩)が目指している社会や経済構造ではないかと。

一部の読者は、本書で暴かれている韓国の現状を知ることで、日本の行く末に寒気を感じるのではないでしょうか。


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2014年12月30日

『不毛な憲法論議』東谷 暁



以前、東谷暁氏の『経済学者の栄光と敗北』を読んで、大変に面白かったため、今回の本もきっと面白いに違いないと思い読み始めました。

しかし今回の『不毛な憲法論議』は、正直当方には大変にしんどい読書となってしまいました。

勿論、それは読者である当方の力量不足です。あまりに憲法についてこれまで無関心でいたため、本書の展開についていけない有様となりました。

本書は、巷に氾濫している憲法解釈の本ではありません。日本における憲法論議がどのように進められてきたのか、という内容です。

従って、時系列で多くの論者達がどのように憲法を論じてきたのかが解説されています。

本書の内容は大きく3部で構成されています。

1部では、そもそも憲法とは何か、ということを、憲法96条の改正問題を手がかりに探ります。

2部では、外国では当たり前に憲法改正が行われているにもかかわらず、日本では護憲派が改正を拒んでいる理由を検証します。

3部では現在の憲法の成立経緯を丹念に追いかけることで、現憲法の性質を探ります。

当方にはしんどかったですが、日本の憲法論議をおさらいするには非常に緻密に解説された本だと思います。


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2014年12月29日

『幕末 戦慄の絆――和宮と有栖川宮熾仁、そして出口王仁三郎』加治 将一



久しぶりに興奮しながら読みました。タイトル通り「戦慄」すべき内容です。

ここで本書の関係者にお詫びせねば成りません。無料で立ち読みしてしまったからです。

買うほどの価値が無いと思ったのではありません。逆です。書店で最初の数ページを読み出したら止まらなくなってしまったのです。

その書店はイオンモール幕張新都心内の蔦屋書店で、図書館のような作りになっており、椅子やテーブルが揃えてあります。

また、スタバと繋がっているので、コーヒーを飲みながら読書ができるのです。

しかも、堂々と立ち読み(実際は座って)できるのは、テーブルに「お読みになる本は2冊までとさせていただきます」と書いて有るので、つまりは2冊まで立ち読み可ということなのです。

勿論、普段はちゃんと購入しておりますよ。

そのような大変に良い環境で、本書を試し読みし始めたところ、どうにも止まらなくなってしまい、とうとう読み終えてしまいました。

本書は小説という形を取っていますが、主人公の作家は紛れも無く著者自身の取材活動をなぞっていると思われます。

また、題材も内容も、あまりにきわどい内容(ちょっと前の時代なら、著者は逮捕されています)であるため、フィクションの形をとっていますが、歴史の暗部を暴くという、もはやノンフィクションではないか、と思える内容です。

小説自体は大したストーリーではありませんが、主人公が歴史の謎を解き明かしていく様は大変スリリングです。

そして解き明かされた内容は、非常に衝撃的でした。思わず「おおっ!」を声を漏らしたのでは無いかと、周りを見回したほどです。

ネタバレれになるので、具体的な内容については触れませんが、主人公の作家が、和宮(親子内親王)、つまり徳川家茂に降嫁された女性の謎を追う内に、幕末から明治維新の動乱期における、最大のタブーを解き明かしてしまう、という話です。

本来は同じ主人公が活躍するシリーズものの、最新刊のようですが、本書だけでも十分に「戦慄」します。

と、これだけではあまりに説明になっていないので、キーワードのみ思いつくままに記してみます。

和宮、有栖川宮熾仁親王、岩倉具視、伊藤博文、明治天皇、坂本龍馬、トーマス・ブレーク・グラバー、サー・アーネスト・メイソン・サトウ、フルベッキ写真、フリーメイソン…

いかがでしょうか。もし、これらのキーワードに「ドキッ」とされた方は、読まねばなりません。

読み終わるまで、眠ることはできません。

少なくとも私は、本書の著者である加治将一の他の作品も読まねばならない、と決意しました。もちろん、今度はちゃんと購入します。


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『空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば』苫米地 英人



空海が好き(ただし信仰心は無い)で有り、その空海について脳機能学者の苫米地英人氏が解説しているというので、迷わず購入しました。

しかし、既に空海について幾冊者本を読んでいた当方にとっては新しい発見や驚きは無く、少々がっかりしました。

amazonのレビューは高評価ですが、サクラではないかと勘ぐりたくなるほどです。

ただ、空海について入門者・初心者という人にとっては、分かり易く読みやすい入門書なのかもしれません。

しかし、仏教についての解説があまり深くないので、もし、これから空海や密教を知りたい、という人がいれば、私は迷わず司馬遼太郎氏の『空海の風景』上下巻を強く勧めます。

『空海の風景』は、空海の人生と背景となった時代を俯瞰しつつ、壮大なドラマを楽しみながら密教という仏教としてはもっとも最後に開発された宇宙観について、大変に分かり易く説明されているからです。

また、今回読んだ『空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば』でさらにがっかりさせられたのは、第二部「空海の言葉」が、全体199ページ中の86〜185ページ、つまり100ページ(全体の50%超)を割いているのですが、この100ページ中では1ページに1行から3、4行程度しか書かれておらず、ほとんど真っ白なページが続くのです。

はっきり言って、ページ数稼ぎの水増しレイアウトでしょう。これで1,400円(税別)は騙されたという印象が強く残りました。

がっかりした一冊でした。


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2014年12月28日

『反日プロパガンダの近現代史:なぜ日本人は騙されるのか』倉山満



以前、倉山満氏の『増税と政局・暗闘50年史』を読んで、ずいぶんと乱暴に他人を上から目線で切り捨てた物言いの言論人だなあ、と呆れつつも、試しにもう一冊読んでみたのが本書です。

そして分かったのは、乱暴な物言いは倉山満氏の著者としてのスタイルだったといことです。

文中、かなり頻繁に歴史上の人物も、現役の政治家や言論人たちに対しても、片端から「バカ」呼ばわりしているところが読んでいて不愉快になります。

倉山満氏の超上から目線は、一体何を自信の根拠としているのか不明ですが、自分以外は皆「バカ」だと決めつけています。

こうなると、やはり自分だけが賢いと書いている副島隆彦氏と対談をさせてみたいものです。

ただ、品は無いはいえ、かなり知識があり多くの文献を読み込んでいることは認めざるを得ません。

しかし、人は、賢くなるほど、あるいは思慮深くなるほど自分の不勉強さに気付き、他者に寛大になるものだと思うのですが、倉山満氏に限っては、そのような内省は無いようです。

さて、本書はタイトルでは「反日」とありますが、実際にはもう少し広く海外のプロパガンダの歴史・実例を追いかけて紹介しています。

途中、やや脱線して、といいますか、著者の趣味に走って戦国武将比べに紙数をかなり割いているのがご愛敬ですが、なるほどプロパガンダの実例について、よく調べられています。

ただ、あまりに大量の情報を書き散らかしている感じが有り、読み物としては非常に読みづらい本でした。

読者とと著者のスタイルの相性が悪いだけかもしれませんが。

結局、個人的には倉山満氏の著書は2冊続けてつまらなかったので、当分読むことは無さそうです。


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2014年12月26日

『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』斎藤貴男



以前、本書の著者である斎藤貴男氏の『消費税のカラクリ』という本を読み、非常に優れたジャーナリストであると感銘したため、本書を購入してみました。

実はタイトルに反発して購入したという、妙な動機もあります。

私は個人的には、日本は「戦争のできる国」になるべきだと考えており、それこそが不要な戦争を回避でき、平和維持に必要だと考えているのですが、敢えて反対意見を主張している斎藤貴男氏の考えを知りたくて読んでみたのです。

感想としては、分かり難い上に、平和ボケしているという少々残念な印象を受けました。

詳細は記しませんが、斎藤貴男氏は、「戦争ができる国=戦争する国」あるいは「戦争ができる日本=米国のポチ」という単純で懐かしいお左翼的な主張を行っています。

しかも本書に書かれた根拠では、当方は説得させられることがありませんでした。

「戦争ができる国=戦争する国」は余りに短絡的な恒等式です。

当方は平和を、「戦争ができない均衡状態」であると考えておりますので、例えば中国から見れば、勝てると分かっている戦争なら仕掛ける可能性がありますが、相手(日本)が手強い武装をしている、あるいは日米同盟が邪魔だ、と判断すれば、リスクがあるため戦争状態を回避するであろうと考えているのです。

この場合、「戦争ができる国=戦争を回避できる国」という仮説を著者は全く検証していません。

また、軍事力的にも憲法解釈的にも非力な日本が、しばらくは米国のポチでいる必然性があるのではないか、ということも当方は考えており、そのことに対する反論も用意されていませんでした。

以上、取材や情報収集には力が入っていましたが、現実的な安全保障をどうするのか、という視点が抜け落ちた様な本だという感想を持ちました。


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2014年12月25日

『最高の自分で最高の相手をつかまえる!』松尾 知枝



今回紹介する『最高の自分で最高の相手をつかまえる!』は、本来婚活中の女性が対象読者ですから、私の様なオッサンが読む機会はない本です。

ところが著者である松尾和枝さんにお会いする機会があり、ご本人から直接手渡しで著書を頂くことになりました。

ああ、サインももらっておくべきだった、と後悔したのは著者と分かれてエレベーターに乗った直後のことです。

「結婚したがっている独身女性がいたらこの本を紹介して頂けると嬉しいです」

著書を受け取る際に松尾さんから言われた瞬間、何人かの知り合いの独身女性が頭に浮かびました。

──そうだ、彼女達にこの本を教えて上げよう。

しかし自宅までの帰り道で冷静に想像してみると、それは非常にリスキーな行為であると思い至りました。

私の様なオッサンが、歳下の独身女性にこの本を薦めたらどういう状況になるでしょうか?

下手したら、何処の男性議員が女性議員に「そろそろ結婚したらどうだ?」と発言したことと同様に思われ、悪くするとセクハラだと訴えられてしまうかもしれません。

──くわばらくわばら…。

結局、せっかく頂いた本書を、知り合いの独身女性たちに紹介する勇気を持てなかったのです。そう、かなり小さい男なのです。

それと、もう一つ私には偏見が生じていました。それは、著者の松尾さんが、外見も可愛らしくて表情もとてもチャーミングな女性であったことです。テレビでも活躍されているせいか、華やかさもまとわれています。さすが元JALのCAさんです。

「こんな容姿に恵まれた爽やかな女性が、結婚できない女性の苦労など分かるはずがないだろうに…」

そう、思ったのです。

ところが、頂いた本を読み出すと、すぐに私の偏見は氷解しました。

そう、美人で魅力的だからこそ、あまたの男達と出会う機会を持つ事ができ、その結果、男を見る心眼を養い、男の気持ちを読み取るスキルを磨き上げることができたのだと。

なんと累計3,000人以上の男性と合コンしたのだそうです。これは侮れません。

それで、さらに著書を読み進めてみる気になりました。

するとのっけから「愛とお金のどちらを選べば良いか?」といった露骨な問題提起から始まっているではありませんか。これは確かに現実的なジレンマです。

しかし、著者はこの問題を二次元方程式の様にすっきりと解いてみせます。

なるほど、と思いました。(ネタバレになるのでこれ以上は触れません)

その後も読み続けると、このオッサンが「そうそう、男ってそうなんだよね」と頷きながら夢中になって読んでいました。

ふと、著者がいかに男心を的確に見抜いているかが怖いほどわかり、ページをめくる手が止まることもありました。

いや、男心だけではありません。著者自身が女性でありながら、女性の心理についても実に客観的に分析して見せてくれます。まるで患者自身が自分の患部を体から取り出して、冷静に診断しているようにです。

例えば、女性が行う「女子会」の麻薬性と男運を遠ざける理由も実に論理的ですっきり分析されています。

いや、恐れ入りました。

しかも本書の優れたところは、男性の結婚観や理想の女性像が、経済状況などによって常に変化している、ということを素早くキャッチしているところです。

従って本書に書かれている婚活テクニックやマインドは、決して時代遅れの色褪せたものではありません。

著者は貪欲に最新の社会状況における男性の意識をリサーチしているのです。

本書を読めば必ず結婚できるなどといった誇大広告は書きません。

ただ、本書を読まずに男性に会うことは、武装せずに戦場に飛び出すようなものだと思えます。

ずばり、本書は婚活する女性にとっては虎の巻とも言えるでしょう。

既婚男性の一人としても、女性にお勧めできる本です。


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2014年12月24日

『破綻する中国、繁栄する日本』長谷川 慶太郎



中国が破綻する、というタイトルに、何故だ? と思い買いました。

一方、日本が繁栄する、という予想は眉唾物です。

私はアベノミクスを経済政策としては支離滅裂(デフレ脱却とグローバリズムという矛盾、あるいはデフレ脱却と財政均衡主義という矛盾を抱えているため)だと考えていますので、現状のままでは失敗するであろう事を予想しているからです。(失敗を望んでいる者たちが成長戦略会議に居るとみています)

本書では、まず北朝鮮の張成沢が粛清された事件から、中国で何が起きているかを読み取ってみせるということを、序章から始めることで、世界情勢は意外なところに読み取るヒントがあるのだよ、ということを示唆して始まります。

とにかく平易でて読みやすい文章が続き、著者が迷うことなく複雑怪奇な国際情勢をずばずばと切っていく様は、読者に快感を与えてしまいますが、注意が必要です。

確かに本書では、通常のニュースでは知り得ない情報が惜しげも無く紹介されており、それらの事象から中国の実態はこうである、とマシンガンで壁を破壊していくように気持ち良く暴いていきます。

しかし、読みながら首を傾げてしまう部分も多く、著者が力強く主張している予測が当たるかどうかは、かなり疑問が残ります。

例えば、中国の人民解放軍が自衛隊に勝てない、ということを、それぞれが保有している兵器の性能や兵士・隊員の熟練度の比較を根拠に主張しておりますが、そこには自衛隊の憲法上の縛りや、中国の核兵器の存在、そして日米安全保障条約の限界については全く考慮されていないように感じられるからです。

通常のニュースでは得られない中国の様々な実態が紹介されている部分は目を見張るものも有り、中国なんてさっさと潰れてしまえ、と願っている読者にとっては気持ちの良い本ですが、時々首を傾げながら読んだ方が良さそうです。

さらに著者が絶賛している安倍政権の経済政策については、私は首を傾げっぱなしでした。

以上、日本の繁栄についてはかなり疑わしい本ですが、中国の実情を知るには、分かり易い本だと言えます。


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『[新版]属国日本論を超えて』副島 隆彦



本書では、政治的なあるいは軍事的に米国に依存している日本の国際的な立場を論じているのかと思うとそうではありません。

思想的、学術的に日本が米国から洗脳されているというお話しです(だと思います)。

ただ、私には本書は難しすぎました。私に思想史あるいはその周辺の知識が余りに乏しいため、著者が散漫に思いつくままに論じている日本の(自称?)知識人達への批判が、良く理解出来ませんでした。

もうひとつ本書の読み難さの原因になっているのは、本書が書き下ろしでは無く、これまで著者がネット上で発表した論評や寄稿文など、つまりばらばらに発表された文書の寄せ集めであり、一生懸命編集されたのでしょうが、やはり章や節ごとにまとまりがなく、散漫に散らかされた論評集であることです。

一応、本書のテーマ内には収まっている内容が集められてはいますが、非常に読んでいて疲れました。

さらに文体や言葉使いですが、いつになく大量の傲慢とも思える主張と自分以外の知識人は皆馬鹿であると言う露骨な主張が乱暴すぎるほど繰り返されています。

副島氏の傲慢な文章には慣れていると思っていた自分ですが、本書では流石に氏の品性を疑いかつ辟易してしまいました。

何しろ氏は、猿の惑星(日本のこと)に唯一生まれた知識人であり思想家であると自負しており、そのことばかりがなんども主張されます。

ただ、ポピュリズムとアメリカニズムに関する説明は、目から鱗が落ちる気持ちで読みました。

確かに副島氏は、驚くべき博識さを持っていることが本書からも分かりますから、氏が師と仰ぐ小室直樹氏以外は皆白痴だ、と言いたくなる気持ちも分からなくはありません。

しかし小室直樹氏の本は、もっと品がありました。

ですから、1,600円(税別)で人に売る文章としては、乱暴すぎる本になっています。

ただ、欧米の思想史に詳しい人には面白い本かもしれません。


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2014年12月23日

『増税と政局・暗闘50年史』倉山満



現在売れっ子評論家となって、次から次へと新刊を出している倉山満氏の本を初めて手に取ってみました。

なるほど、テーマは良いですし、良く時系列に増税までの経緯を丹念に追跡している様に見えます。

また、文体も読みやすく、確かに売れっ子だなぁ、と思わせるスピード感のある文章でした。

しかし余りに乱暴に、実在の登場人物を批判していることと、リフレ派ばかりを正しいと決めつけている辺りに、著者の軽率さが見えてしまっています。

また、財務省の圧力により、歴代の首相が増税をする嵌めになったことを明らかにしていることは良いのですが、なぜ、財務相が増税こそ悲願となっているのか、という最も知りたい部分が、丁寧に説明されているとは言えません。

さて、著者は本文中で、しつこいぐらい保守言論陣をけなしていますが、そのけなし方があまり上品ではありません。

特に三橋貴明氏と麻生太郎副総理に対する毒づき方は尋常ではありません。何か恨みでもあるのでしょうか。

──大丈夫か? と思ったら、既に三橋貴明氏に訴えられておりました。

三橋貴明氏のブログに倉山満氏及びイーストプレス社に弁護士を通じて内容証明を送付したことが記されています。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11822729893.html

さて、本書は回収されるのでしょうか。

テーマが良かっただけに、著者の品位の無さに少々がっかりしました。

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2014年10月30日

『[改訂版]ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田 和也



出版社による内容紹介では、大量のインプットとアウトプットは「ビジネスマンに有効」だ、と書かれており、ビジネスマンに対して売りたいという目論みが分かりますが、実際に読んでみれば、本書はがっつりと「物書きを目指す人であれば参考になる」本だと思いました。

本書では、大量にインプットして大量にアウトプットしている物書きとしての著者のノウハウや仕事に対する姿勢、また私生活などについて書かれた本であり、広くビジネスマンに参考になるとまでは思えませんでした。

ただ、文章を書く事が中心の仕事をしている人や、物書きを目指している人には、目新しくはありませんが、「やっぱりそうだったか」と改めて考えさせてくれるヒントが満載ですので、一読して損は無いと思います。

また、タイトルの「百冊読み、三百枚書く私の方法」については、具体的なノウハウが紹介されているわけでは無く、本を読む際には目的を持つことや、読んだ本からどのように情報を集めるべきかという点で、著者の心構えについて書かれている程度ですから、やや出版社側の誇大タイトルとも言えます。

それでも基本的な情報収集術や読書術など、物書きを目指すのであれば最低限知っておかねばならないであろう事は抑えることが出来ます。

また、物書きを目指す人にとっては、物書きの生態を垣間見ることができる、という意味で、おもしろくあっという間に読める本でしょう。

本を効率良く読む心構え、抜き書きによる情報収集のコツ、新聞やインターネットとの付き合い方、取材の準備とメモの取り方、プロの文章を分析する方法など、物書きを目指す人には参考になる情報がたくさん盛り込まれています。

従いまして、ビジネス書というよりも、物書きの先輩からコツを聞きたい人にお勧めの本です。


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2014年07月04日

『聖徳太子はシルクロード合成人間―藤原氏が作り上げた最大の虚構』 久慈 力



久慈力氏の古代史ものの中では比較的読みやすいと思われます。同氏の古代史ものが読みにくく難解なのは、本文中に他の著書で解説したことについては説明を端折って結論だけ書いているためです。

例えば、

「藤原氏は、鎌足と不比等の二代の間に、スキタイ・サカ族系、秦氏系、新羅系、箕の子系、唐系などを統合し、藤原四家として確立した。」

などと突然結論が記されているのです。しかしこの記述を裏付ける説明は一切省かれておりますから、読んでいる側としては、「とりあえずそういうことにしておこう」と、なにやら納得出来ないまま読み進めるしかありません。

恐らくこのような場合、久慈氏としては既に他書で解説済みな事項は重複を避けるための記述方法なのでしょうけれど、初めて同氏の著書を読む身にとっては、これだけで「???」となってしまい、読み進めることが難しくなってしまいます。

ただ、今回の著書が比較的読みやすかったのは、同書が参考にしている情報が自著ではなく、他者の文献が多かったために、割と丁寧に背景を説明しながら描かれていたためでは無いかと思われます。

本書では、タイトルの通り、聖徳太子を実在した人物では無く、有る人物を土台にしながらも、シルクロード上の各地域に存在した複数の人物像を合成して作り上げた人物であることを解明しようとしています。

その際に、多くの歴史作家や学者の文献における聖徳太子像を紹介しつつ実像に迫ろうとする解説手法は、非常に好奇心をそそられる楽しいプロセスでした。

そして本書では、聖徳太子が様々な歴史上の人物を合成した虚像だとして、それでは誰がいったい何のためにその様な虚像を作り上げたのか、という謎にまで迫ります。

最後の章では、13人の著名な学者や作家の聖徳太子に関する説を紹介しつつ、著者の考えを述べている付録のような章となっていますが、これも大変に興味深く、久慈氏が参考にした文献を自分でも読んでみたいと思わせる内容になっていました。

個人的には、これまで読んだ聖徳太子に関する謎解き本の中では、関裕二氏のデビュー作である『聖徳太子は蘇我入鹿である』に匹敵するおもしろさでした。

今後も聖徳太子の謎解きに関する本を見つけたら、読んでみたいと思わせてくれる本でした。


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2014年06月18日

『国家とエネルギーと戦争』渡部昇一



国家を維持するために欠かせないエネルギー政策を誤ると、その存亡が問われる事態になる、という重量級のテーマを、気軽に読めるようにかみ砕いて分かり易く述べたのが本書です。

本書では、石炭が近代国家を築いたのだ、というところから始まり、やがて石油と機械で闘うようになった戦争を経て、原子力の時代が到来した現在までを俯瞰しつつ、その時々の日本の政策が時に誤り、時に世界情勢に助けられて現在に至る経緯を解説しています。

感情論に流されること無く、冷静にエネルギー政策が国家の存亡に関わる重要事であることを、これほど分かり易く、まるで茶菓子でも食べながら論じているような気負いの無さで解説しているところは、流石年季の入った著者であることを感じさせました。

後半は主に原子力発電が如何に日本の国益に必要であるかということを、エネルギー安保の面と、経済政策面、技術力維持の面から主張しています。

この辺りになると、感情的な脱原発論者や反原発論者達はアレルギー反応を起こすかもしれませんが、そういう人達にこそ是非読んで欲しいところです。もし彼らが真剣に脱原発を目指すのであれば、まずは渡辺氏を説得できる程の論理的な根拠を用意しなければならないでしょう。

本書は新書としては168ページと薄く、文章もいたって平易ですので、若い人や脱原発・反原発の人達に是非読んで欲しい本です。

しかしページ数が少なくとも、激動の時代を生きてきた著者だからこその、重みのある論説となっています。


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2014年06月01日

『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる 警察入門』オフィステイクオー



特に刑事ものやサスペンスもののドラマや映画を好んで見ている訳では無いのですが、それでもたまにみるドラマや映画、あるいは小説などに登場する警察関係者たちの立場や背後の組織、そして権限などについては興味を持つことがありました。

それで書店に平積みされていた本書をペラペラと眺めてみると、実に分かり易く警察の組織や地位、あるいは職権などについて説明されているので、購入しました。

文章も軽いノリで書かれているため、構えることなくすっと読み続けることが出来ます。

また、常にドラマや映画の登場人物たちが引き合いに出されていることで、読者が飽きることなく複雑な警察機構に関する説明を読み続けられるように工夫されています。

その際、ドラマや映画が何処まで警察の実情を反映させているのか、あるいはどこからがエンターテインメント故の非現実的な設定なのかもわかるように説明されており、読み物としても面白く書かれています。

この本を読むと、刑事物のドラマや映画が見たくなります。既にその手のエンターテインメント作品のファンであれば、この本を読むことで、さらに楽しめる様になると思います。


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2014年05月30日

『日本とユダヤ 運命の遺伝子 (ムー・スーパーミステリー・ブックス)』久保 有政



書店の古代史コーナーで発見して迷わず購入しました。著者の久保有政氏の著書を既に何冊か読んでいて面白かったからです。

私は単純な日ユ同祖論者ではありませんが、古代において日本にユダヤ人やユダヤの宗教や風習が入り込んだで有ろうことは信じております。

既に日本に古来から伝わる風習の多くがユダヤ人と関わりがあるという本は多く出ており、そのうちの何冊かは読んでいます。

しかし「遺伝子」レベルでの調査結果について、どこかで耳にはしていましたが、確認はしておりませんでした。

それで本書の副タイトルである「運命の遺伝子」に惹かれたわけです。

ただ、本書ではいきなり遺伝子の話には入らず、まず、日本人が中国人や韓国人と、これほど地域的に近いにもかかわらず、あまりに「似ていない」というところから語り始めています。

すると、ああ、なるほど、これほど近く、実際に漢字を始めとして様々な文化的な影響を受けながらも、確かに国民性というか民族性がかなり異質です。

そう読者が考え始めたところでようやく、「実は遺伝子レベルで見ると、日本人は隣国の中国人や韓国人とかなり異なることが分かっている」という話になります。

ですから読者は「ああ、そういうことだったのか」とすんなりと納得してしまう構成が上手いですし、読みやすいです。

Y染色体におけるDNAが「D系統」が日本人の40%に確認されていますが、この系統は中国人や韓国人にはほとんど見られません。それだけではなくこの「D系統」は世界でも珍しい系統で、日本以外で多いのはチベット方面くらいです。

ところがこの「D系統」は、遺伝子的にこれまた珍しい「E系統」と同一の先祖から分離したこと分かっています。

この「E系統」が広く分布しているのがユダヤ人だというのです。

そして本書ではさらに細かくDNAの分布と各地域や民族の関係を明らかにしたあと、日本に2系統のイスラエル人がたどり着いたことを裏付ける事実を語り始めます。

そして日本に伝わる神道がユダヤ教と原始キリスト教(メシアニック・ジュー)の影響を濃厚に残していることを解説します。

私はこの手の話を決して荒唐無稽だとは思いません。古代は国境も税関も無く、現代以上に世界の人々が自由に交流していたと考えているからです。

そして何より、遙か彼方のイスラエルの地から、極東の島国にたどり着いた人々がいたという説に、壮大なロマンを感じるのです。

ですからページをめくる度にわくわくしました。

これからもこの手の話を楽しみたいと考えております。


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2014年05月25日

『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統』島田 裕巳



タイトルに飛びついた本です。確かに八幡神社は最も多いにもかかわらず、その理由や八幡の由来は知らなかったからです。

しかし、本書にはその理由については書かれていませんでした。この点はがっかりしました。

ただ、本書で改めて気付かされたのは、日本の神社に祀られている神々が、必ずしも日本書紀や古事記に記された神々ではないということです。外来の神もあれば、歴史上の人物が祀られた場合もあります。

また、神仏習合により、神々の伝播に仏教が大きな役割を担ったことも、改めて思い出させられました。

そして本書では、日本でポピュラーな神々を祀る神社11社を取り上げ、そこで祀られている神の由来や仏教との関係についてかなり詳しく書かれています。

ところが(私にとって)残念なことに、本書の内容あるいは構成は、つまらないものでした。

既にどこかで紹介されている文献からの寄せ集めに過ぎず、著者ならではの考察や大胆な推理が感じられないのです。

そのため、各神社の由緒や神の由来について詳しいことは詳しいのですが、読みづらいし、次のページをめくるわくわく感が全くありませんでした。

オリジナリティーが感じられないからかもしれません。

以上の理由により、本書は11の神社に関するガイド本として、ときどき参照するには良いかもしれませんが、読み物としては面白く無いと感じました。


posted by しげぞう at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月23日

『古事記に隠された聖書の暗号』石川 倉二



この著者のデビュー作だであることは後で知りましたが、書店で偶然に発見して購入しました。

私はコテコテの日ユ同祖論者ではありませんが、古代においては世界に国境は無く、現在よりも人々は自由に往来しており、人と共に文化や技術、宗教が世界を移動していたと考えています。

日本の古代においても、ユダヤ発祥の文化や宗教が日本に入り込み人々に影響を与えたであろうとは考えております。

ですから、日本古来の宗教や風習に、古代イスラエルの文化や、場合によっては血が入り込んでいたとしても驚きません。

そして、その手の話が大好きなのです。いずれは自分でも調べてみたい、と考えている分野でもあります。

さて、本書は『古事記』が『旧約聖書』や『新約聖書』をベースに書かれた歴史書である、ということを分析して見せようという本で、これまでにないのは、『古事記』の神々に関する記述方法や構造にあるルールを見つけ出した著者が、実際にそのルールに従って『聖書』との比較を行うという内容です。

斬新だと目を見張ったのは、『古事記』には意味不明な神の名を羅列する記述が多いことが以前から気にはなっていたのですが、著者は、この羅列は一度に紹介される神々の数(柱)によって『聖書』との関係の仕方を決める法則がある、ということを見つけたことです。

その法則が正しいかどうか私には分かりませんが、確かに意味不明だった神々の羅列が、俄然意味を帯び出すのを見せつけられると、思わず興奮しました。

なるほど、著者にとって、この『古事記』の神々の名前の羅列は、全て意味があったのです。

また、『古事記』に記載されている神々の関係性を系図にすると、見事に『聖書』に登場する人々の系図に重なるところは圧巻でした。

ただ、所々やや強引な対比や解釈もありますし、後半はあまり『聖書』に関係の無い、ただの『古事記』解説に流れてしまっていたのが少々残念です。

それでも、『古事記』の解釈と日ユ同祖論の新しいアプローチは画期的でした。

今後の研究を期待したい著者です。


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2014年05月07日

『悪中論 ~中国がいなくても、世界経済はまわる』上念 司



この手の本を良く読まれる方であれば、タイトルからすぐに、

「ああ、室谷克実氏の『悪韓論』と三橋貴明氏の『中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!』のパクリか二番煎じだな」

と思われたかもしれません。実際、私は思いました。

それでも、対象国が韓国では無く中国なので、出版社のマーケティングにまんまと嵌まることにして読んでみました。

Amazonのレビューではかなり極端な批判もされていますが、個人的にはなかなか勉強になりました。

確かに著者は中国の専門家でもなく、経済学者でもありませんが、統計や歴史、マスコミの記事などを広く参考にしながらも、中国の現状を分かり易く説明できていると思います。

特に経済統計上のグラフが多用されているのは大変に分かり易いですし、何となく中国は経済的には大国となったようだ、という漠然とした印象を持たれているひとであれば、「あれれ?」と首を傾げてしまう情報が盛りだくさんです。

また、経済データだけでなく、中国共産党の政争や資源外交の実態、歴史的な中国の法則など、多角的に中国が本当に絶好調であるのかどうかを検証して見せてくれます。

その上で、果たして中国経済は崩壊するのだろうか? という疑問に最終章で答えようとします。

マスコミ報道での中国しか知らない、という人には一読をお勧めします。


posted by しげぞう at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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