2013年03月05日

『Gene Mapper (ジーン・マッパー)』[Kindle版]Fujii Taiyo



電子書籍で自己出版する者として、この作品は読んでおかねばならないと思いました。

本作は長期間に渡りAmazon Kindleランキングで上位を維持し、最近の著者のインタビューでは、Koboなど他も合わせると7000ダウンロード以上の実績を上げているようです。

本作が話題になったのは、作品自体のおもしろさもさることながら、作者が会社員であり作家としては素人であることと、電子出版だけで出版された自己出版であること、そしてさらに驚くべきは、基本的な執筆をスマートフォンで行ったと言うことです。

まさに、これからの電子書籍のあり方を象徴するような、というか先取りしたかのような成り立ちであるため、その意味からも注目されました。

それだけではありません。この著者が他にも秀でていたのは、テクニカルな部分でのスキルでしょう。

Kindle以外のファイル形式や媒体でも電子出版を平行販売し、そのファイルを自ら作成していることです。著者はDTPの知識もあり、Shade(有名な3DCGソフト)の会社に勤めている(だったと思います)ため、CG周辺の知識も豊富です。

また、ITリテラシー(という言葉はあまり好きではありませんが)が高く、なんと言っても電子書籍による自己出版のマーケティング手法として、作品のオフィシャルサイトを運営するなどし、自己出版による電子書籍のブランド力を高めていることです。

すなわち、本作品と著者が注目されたのは、作品のおもしろさと、その販売姿勢によると言えます。

さて、肝心の中身ですが、非常に楽しめる作品でした。

本作品は2037年を舞台とした近未来小説です

この時代には、農作物が遺伝子操作された「蒸留作物」というメーカーによる製造物になり、世界はその遺伝子操作作物により、飢饉を回避することに成功しております。

しかし、遺伝子操作という技術が暴走する可能性はないのか、ということが問われます。

主人公は作物の外観を操作し、例えば耕作地に作物の発色によってメーカーのロゴを表示させる遺伝子設計を生業とする林田というデザイナーです。

ある日、カンボジアに納品した作物のロゴが崩れたことから物語は始まります。

黒川という人物から林田に、このロゴ崩壊の原因調査依頼があり、物語は最初から一気に加速します。

このスピード感故に、本作はメディアでは超高速近未来小説などと呼ばれるようになりました。

レビューの多くもそのスピード感が評価されています。このスピード感が、電子書籍では好感をもたれるのかもしれません。

しかし、実際に私が読んだ個人的な評価としては、このスピード感は、作品が荒削りであるが故の印象ではないかと感じました。

文章が下手な訳ではありません。むしろ読みやすく、簡潔な文体です。しかし、表現のまとまりとしては、まだまだ荒削りな印象がありました。

そのため、ここはもっと情景描写がないと情景が浮かばない、あるいはここは背景の説明(補足)を入れないと、文脈として繋がらない、またはここでは人物の感情表現か感情を感じさせる動きを丁寧に書き込まないと、臨場感が足りない、といった部分が多く散見されました。

ですから、私個人の評価としては、作品としての完成度は低いとしました。

しかし、今時の電子書籍読者にとっては、これらのことがむしろプラスに働き、心地よいスピード感を感じさせたのではないかと思われます。

また、文章表現としての完成度は低いとは言え、作者のストーリーや舞台設定に対するアイディアの良さや、仮想現実を表現する用語を大量に使いこなしている力量には、舌を巻いた次第です。

その意味では、著者は非常に才能のある方なのだと感じました。

近未来小説慣れしていない私の様な読者でも十分に楽しめますが、スピード感が説明不足となり、ところどころ意味が分からないまま読み進めてしまったのは正直なところです。これはもしかすると私の年齢のせいかもしれませんが。

ただ、前述のように才能を感じさせる著者ですので、次の作品も読みたいと思わせる作品ではありました。

売れているだけのことはあります。

そしてなにより、その多彩な才能と実際にプロの作品に負けない売れ行きを示した実績には、羨ましいと感じました。

恐らく、この作品や著者に感化されて、多くの電子書籍作家が、才能を開花させてくると思います。


posted by しげぞう at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『キャリア官僚の仕事力 秀才たちの知られざる実態と思考法』中野 雅至



「官僚」というと、高給取り、特権階級、天下り、ノーパンしゃぶしゃぶ、権謀術数といったイメージがあり、なにやら一般庶民にとってはあまり良い印象はありません。

しかし、現実として理解出来るのは、彼らは非常に厳しい学歴競争や公務員試験などを勝ち抜いてきたテクノクラートだということです。

とはいえ、私たちは彼らの仕事ぶりを良くはしりません。ある意味ブラックボックスのような存在でもあります。

本書は、元官僚であった著者が、官僚がいかに日夜激務をこなしているかを紹介し、官僚ほど高度な仕事術を身に付けた者たちはいないのではないか、と考えるところから始まります。

そしてその仕事術は、一般のホワイトカラーにも役立つはずだ、という考えに基づいて執筆されています。

しかし本書は、何から何まで官僚を称賛しているわけではなく、悪い面やずるい面なども正直に紹介していまので、この辺りは好感が持てるところでもあります。

そして、本書を読むと、官僚に対する善し悪しや好き嫌いは別として、その能力の高さは認めざるを得ない、と思える様になります。

もともと能力が高い人達の仕事術など、凡人がそう簡単にまねできる物ではありませんが、ホワイトカラーと呼ばれる人達にとっては、なにかしらヒントになる部分が得られるのではないかと思えました。

序章では、元官僚だからこそ主張できる、官僚の優秀さについて述べます。

第一章では、官僚の激務がどのようなものかを紹介します。

第二章では、官僚が激務を乗り切る「仕事体力」とはどのようなものかを紹介します。

第三章では、官僚の仕事が通常のお役所仕事のイメージと異なり、いかにシビアなスケジュールとの戦いであるかを紹介します。

第四章では、官僚が激務の中で磨き上げていく文章術や、情報収集術を紹介します。

第五章では、官僚の発想力を支える高度な情報収集術と仕事に対する優れた集中力について紹介します。

第六章では、官僚の優秀さを決めるという「相場観」とは何かを説明します。

第七章では、政治家を初めとする一癖も二癖もある者たちを、官僚が説得するために身に付けるプレゼン能力について紹介します。

第八章では、官僚の出世を左右する情報戦の重要性について紹介します。

官僚に悪い印象を持っている人であっても、その仕事術には、学ぶところが多いであろうと感じさせる本でした。


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2013年03月02日

『人生が変わる2枚目の名刺』[Kindle版]柳内啓司




Kindle版を購入しましたが、非常に読みやすい文体と内容でしたので、あっという間に読み終えてしまいました。

内容を簡単にまとめてしまうと、今流行の副業や週末起業といったものを、大上段に構えて始めるのでは無く、まず形から軽い気持ちで入ってしまいましょう。その形こそ、2枚目の名刺を作ることです、という内容です。

なるほど、現在は本業だけで将来の収入は大丈夫だろうか、という経済的な不安や、本業で生活は維持できるが、お金の為だけに働くことに満たされなくなった、という人たちに注目されているのは、副業や週末起業です。

しかし、副業や週末起業をやらねば、と思うと大げさに構えてしまい、なかなか始めることが難しいと言います。

さらに、「なにかしなくてはならない」と、追い詰められた気持ちで始めた事は、義務になってしまうため、本業以外でまで続けるのは困難であり、恐らく挫折してしまうでしょう、とも著者は指摘します。

はい、その通りです、と私は同感しました。

そこで著者は言います。とにかく、お金にならなくても続けられる、あるいは疲れていても充実感が得られるという「好きな事」を始めましょうと。本業以外くらい、好きな事で無ければ続けられない、という指摘はごもっともです。

よほどお金に困っている状況でないかぎり、いやいや続ける副業や週末起業で結果を出すのは困難に違い有りません。

実は私は既に2枚目の名刺を持っていました。手作りですが、商業出版で2冊上梓しているため、出版社さんに渡すための個人の名刺を作ってあったのです。

しかし、それは単なる個人用の連絡先ですから、この本で進められている2枚目の名刺としては物足りない物です。

それは、2枚目の名刺で何をしたいのかが明記されていないからです。自分の成りたい職業や肩書きを明記する必要があります。

それで本書を読み終えた今では、新しく名刺を作ろう、と思い直しております。ただ、業者に発注するとなると、安いとは言え、肩書きはもう少し考えた方が良さそうです。

本書が他の副業や週末起業の本と異なるのは、名刺を作ることで必要な情報や人間関係が集まるようになるので、まず実績を作ってからとか、準備をしてからではなく、とにかく名刺を作ってしまいましょう、と主張している点と、実際に2枚目の名刺をもつことで本業以外にも活躍の場を得た人達のインタビューが紹介されている点でしょう。

第1章では、2枚目の名刺を作ることで得られるメリットについて具体的に紹介しています。

第2章では、2枚目の名刺にどのような肩書きを記すべきなのかについて、その考え方を説明します。

第3章では、本業を辞めずにもう一つの活躍の場を持つ事が、時代に合った生き方であることを説明します。

巻末インタビューでは、2枚目の名刺を持つことで、より充実した生き方を手に入れたという9名の方達へのインタビューが紹介されます。

繰り返しになりますが、本業だけでは収入面で不安がある、あるいはお金の為だけに働いていることに疑問を感じる、という方には、「なるほど、そんな考え方があったのか」と希望を見いだせる本だと思います。

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2013年02月04日

『官僚の反逆』中野 剛志



40代に入ったばかりのこの若者の発言や著書に触れる度に、人が持って生まれた頭脳の明晰さの格差に愕然とします。

特に本書は、これまでの著書と比較して格段に難しく感じました。ページをめくる度に自分の頭の悪さと無教養を痛感せざるを得ないといった、まさに痛みを伴った読書です。

本が難しい場合、著者の理論が破綻していたり、文章が下手であったりする場合と、読み手の能力が低すぎる場合が考えられますが、今回は明らかに後者だと実感しております。

著者が主張したいことは大まかには把握できますが、その具体的な理論を復唱せよと言われれば、ほとんど不可能だと感じました。

それほど今回は理解するのに手こずりました。

本書は、改革派と呼ばれる元官僚の田中均氏や古賀茂明氏などが、国民から喝采されていることの奇妙さを指摘するところから始まります。

しかし彼らが言うところの改革とは、それこそ実はさらなる官僚制の支配強化であり、民主国家の破壊であると見破るのが本書のテーマです(と思います。自信なし)。

そして、そのような改革派を支持する国民に何が起きているのか、それを、実に多くの先達の学説を引用しながら解明していきます。

その理論の渦に、私は舌を巻き、目眩を起こしました。

さて、本書ではもう一つ、エリートたるべき者がエリートで無くなる時を指摘しておりますが、著者が引用している印象深い部分として、オルテガによる「大衆」と、「エリート」の定義を、ここでも紹介します。

“大衆とは、みずからを、特別な理由によって──よいとも悪いとも──評価しようとせず、自分が≪みんなと同じ≫だと感ずることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じてかえっていい気持ちになる、そのような人々全部である。”

“エリートとは、決して現状に満足すること無く、より高みを目指して鍛錬を続けており、常に緊張感を持って生きている存在である。”

ああ、私は「大衆」すらでもない、とうなだれてしまいました。

それにしても、著者の学識の深さには驚嘆します。どれだけ勉学に励んできた人なのか。この様な人が官僚(著者は経産官僚です)の一人であることを、改めて認識すべきでしょう。

序章では、官僚の反逆とは何を示すのか、自由民主主義に対する脅威なのかについて語ります。

第一章では、成果主義や改革こそが官僚制を導くという、一見逆説的な理論について説明します。

第二章では、グローバル化や新自由主義がもたらす官僚制と、それに拮抗するケインズ革命について説明します。

第三章では、新自由主義やショック・ドクトリンがもたらす官僚化と、「自由民主主義」と「大衆民主政治」の相反する常態について説明します。

第四章では、日本における官僚制という言葉に対する解釈の曖昧さを指摘します。

終章では、本当の意味での「政治主導」を目指せるのかどうか、日本が向かうべき方向を示唆します。

かなり読者を選んでしまう著書ですが、改革派元官僚と呼ばれる人達の主張にうさんくささを感じている人は、本書で霧が晴れると思われます。


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2013年02月03日

『さっさと不況を終わらせろ』[Kindle版]ポール・クルーグマン (著), 山形 浩生 (著, 翻訳)



著者のポール・クルーグマン氏は、2008年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者です。

本書(Kindle版)では、中扉に1行だけ記されています。

 「不当な目にあっている失業者達へ」

この一行こそ、本書を貫く執筆の動機でありましょう。とにかく、現在主流派と呼ばれる経済学(新古典派や新自由主義)をこれ以上のさばらせておいては、世界が駄目になる、とポール・クルーグマン氏は考えており、そのためには,政治を動かす必要があり、政治を動かすには、世論を動かす必要があると思い至ったのでしょう。

そのことが本書のような、経済学の基礎が無い読者にも分かり易く(実は分かりにくい部分も散見しますが)解説する本を書いたと言えます。

ここで書かれているのは、主流派が殺したケインズの復活です。それも、ニューケインジアン以上に、オリジナルのケインズに近いのではないかと思いました。

余談ですが、先週、たまたま会社の同僚と復興増税の話から経済談義になったときに、私がデフレの今こそケインズに学ぶべきだ、と語ると、会社の同僚(本人はインテリと自負しているらしいのですが)「ケインズなんて古いよ。」と一言で片付けてしまいました。

ケインズの何を知っているのか、といった話までしませんでしたが、このような人が多いのは現実でしょう。ちなにみこの同僚は消費増税論者でしたが、すくなくともそれはだめだ、というところまでは私は彼を改宗させることができました(笑)。

さて、ポール・クルーグマン氏が本書で主張しているのは、主に米国と欧州を比較しながらの不況脱却策ですが、これは長引くデフレに浸っている日本にも十分該当します。

前半は不況の現状や原因の解説ですが、結論は財政出動と金融政策のパッケージとなります。

そして訳者は後書きで、これほど不況脱出の方法が明確であるにもかかわらず、主流派経済学によって疎外されていることを嘆き、今後もこの状況は変わらないことを諦めております。

ところが、昨年政権交代した安倍政権は、まさにこの財政出動と金融政策のパッケージを経済政策の柱として主張し始めました。

これには訳者も驚いていることでしょうが、誰よりポール・クルーグマン氏が驚いております。

そのあたりの記事が掲載されていたメディアのページが何故か削除されておりますが、京都大学の藤井研究室で言及していたので、参考までにURLを掲載します。

「動き出した日本Japan Steps Out」
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/264

しかし、まだまだ障害となる勢力は多く、アベノミクスが成功するかどうかは分かりません。いや、成功するように、国民は世論を盛り上げるべきでしょう。マスコミや財務相、主流派経済学のエコノミストに騙されないようにしなければなりません。

第1章では、米国の特に失業率の高さを中心に、現在の経済状況について説明します。

第2章では、不況時にこそ役立つ経済学があるのだ、ということを主張します。ここではケインズが唱えた有名な「流動性の罠」について触れます。

第3章では、ハイマン・ミンスキーという経済学者の説を紹介します。彼は、異端と言われながらも現在の金融危機を予言していました。

第4章では、銀行のもつ仕組みと金融危機の構造について説明します。

第5章では、格差が起きる原因を説明し、それを説明できない現在の主流派経済学の問題を指摘します。

第6章では、ケインズ経済学が虐げられた経緯について説明します。

第7章では、オバマ政権がケインズ政策で何故失敗したのかを説明します。

第8章では、財政赤字を錦の御旗とする勢力の理屈について説明します。

第9章では、インフレ恐怖症が景気回復策を疎外していることについて説明します。

第10章では、ユーロの問題と、危機を救う方法があるかどうかについて考察します。

第11章では、緊縮論者たちが行った政策の顛末について説明します。

第12章では、改めて現在の米国や日本が行っている経済政策が効果を上げていないことについて触れます。

第13章では、不況を終わらせるために何をすべきか、どのようなアプローチが必要か、正しい経済政策のためには、政治への関与が必要であることが述べられます。

後記では、財政出動の意味を問い直します。

全体を通して、読者が経済学アレルギーを起こさないようにと、砕けた文体と軽快な語り口調、そして分かり易い喩えを行う様に意識して執筆あるいは翻訳されています。

アベノミクスを理解するには良いテキストだと思います。


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『隠されたヨーロッパの血の歴史』副島 隆彦



この1年くらいの間に読んだ副島氏の著書では、最も楽しくエンターテインメントとして読めたような気がします。

私は義務教育を疎かにしてしまったため(授業中、余りに頭が悪くて失神していたようです)、ルネサンスとは何か、ということをほとんど理解せずに大人になってしまいました。全く無教養にも程がある、と我ながら呆れております。

そのような者に取って本書は、ルネサンスとは何か、ということを興味深く飽きさせずに物語ってくれる内容になっていました。

従って、本書はメインタイトルよりもサブタイトルである「ミケランジェロとメディチ家の裏側」の方がしっくりとするのですが、それでも今ひとつです。

タイトル付けはもう少しなんとかならなかったのでしょうか、出版社さん、と少々残念なところです。

著者はルネサンスを、実はわずか60年の間だけ開花したプラトン主義運動であったと指摘します。そしてそのルネサンスを潰したのがローマ・カトリック教会であったと解釈します。

実際、プラトン主義運動に参加した人々が、次々と謎の死を遂げており、著者はこれらをおそらくはカトリック教会による暗殺であると推測しております。

この辺り、著者は執拗にローマ・カトリック教会を敵視しておりますが、実は私もバチカンほど悪魔的な存在はない、とかねがね考えている者ですので、共感した部分ではあります。

誤解を生むといけませんが、私はイエスという男に非常に魅力を感じています。イエスの生き様にも教えにも、そして多くの謎にも強く惹かれます。

だからこそ、その教えを大きく歪めて権威を作り上げたカトリックにいかがわしさを感じるのです。

ただ、私はバチカンを悪魔の巣窟だと考えておりますが、副島氏の様に憎悪はしておりません。カトリックのいかがわしさも、面白いからです。そしてカトリックのいかがわしさを受け入れた人間の業も興味深いからです。

と同時に、そのいかがわしさに挑戦したマルティン・ルターも好きなのです。本書ではマルティン・ルターについても少し触れられております。

序章では、ルネサンスという思想運動とローマ・カトリックの対立に関する基本構造について語ります。

第1章では、ルネサンスがキリスト教の原罪に疑問を持った思想家達の運動であったことを説明します。

第2章では、ルネサンスの主役であるプラトン・アカデミーが潰された理由について説明します。

第3章では、ルネサンスに大きな影響を与えたメディチ家について説明します。

第4章では、フィレンツェで花開いた芸術とルネサンスの関係について説明します。

第5章では、なぜか章としてのまとまりを失っており、現在のイタリアの金融問題、塩野七生に対する著者の批評、そして現代日本の労働者問題にまで話が飛んでしまいます。ただ、内容は面白いのが救われます。

以上の様に、第5章で内容に乱れが生じたのは、著者が途中で吐露しているように、わずか2週間で執筆させられるという短納期故の執筆、編集にぼろが出てしまったのかもしれません。

それでも、本書を読んだ後は、ダ・ヴィンチやミケランジェロの作品の見方が大きく変わると思います。

西洋史に詳しい人には少々物足りないかもしれませんが、私の様に義務教育を疎かにしてしまった人には、エキサイティングなルネサンス読み物だと思います。


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2013年01月30日

『静かなる大恐慌』柴山 桂太



世界経済が相互依存度を高めていき、所謂グローバル化が進めば、国際社会はその依存度故に平和になる、といった脳天気な発想に冷や水を浴びせる名著です。

著者の言葉は非常に静かですが、そこに分析されている資本主義の歴史的考察は、読者を怯えさせるかもしれません。

特に私は経済的な見地から歴史を考察するといった能力が無いため、現在のグローバル化と同様のグローバル化を、既に国際社会は経験済みで有り、その結果は極端な保護主義であり、グローバル化を終演させたのは二度の世界大戦だった、という結論には衝撃を受けました。

そして、グローバル化は世界経済を活性化させるのではなく、脆弱にし、大いなる危機を巻き起こす準備となることは、先のリーマンショックでも垣間見たものです。

本書のタイトルがやや内容を想像させにくくミスマッチだと思えるところが残念です。より明確なタイトルが付いていれば、本書はさらに多くの人達に読まれるのではないでしょうか。

そうすれば、日本維新の会が行おうとしていることや提灯エコノミスト達が語っていること、マスコミが語っている経済談義について、奇妙だな、と思える様になるでしょう。

特に、グローバル化を叫びつつも小さな政府を主張する人達の誤りについては、本書が「静かに」解き明かしてくれるでしょう。

また、私は最近いろいろな本でケインズの慧眼に驚くことが多いのですが、本書の著者もまた、ケインズを深く学んだことが本書に深みと鋭さを与えていると語っています。

やはり一度は殺されたケインズですが、時代は彼を再評価し始めていると思えました。

第一章では、グローバル化した世界が抱えている巨大な危機について説明します。

第二章では、過去にも世界がグローバル化を目指した時代が存在することを示しながら、グローバル化が永続し無いことと、グローバル化が平和を保証しないことを明らかにします。

第三章では、通貨戦争に代表される経済戦争が、先進国と新興国との対立を顕著にすることは、既に繰り返された歴史であることを示し、やがて世界の格差が国内の格差に変貌していく仕組みを解き明かします。

第四章では、グローバル化のいきつくところに保護主義の台頭であることを歴史から読み取ります。

第五章では、資本主義の本質を明らかにし、資本主義における国家の重要性が語られます。

第六章では、日本経済がグローバル化を目指すことで抱えてしまった問題点を明らかにします。

第七章では、歴史が繰り返すことから、グローバル化が脱グローバル化をもたらす必然性を示し、ハードランディングを避けるための手段はあるのか、ということについて考察します。

規制緩和だ、グローバル化だ、小さな政府だ、改革だ、という叫びに同調している人にこそ読んで欲しい本です。


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2013年01月27日

『勉強上手 好きなことだけが武器になる』[Kindle版]成毛眞



成毛眞氏が元マイクロソフト株式会社日本法人の社長出会ったことは知っており、著書も多く出していることも知っていました。

しかし、これまで何故か縁が無く、本書が初めの同氏の書著となりました。

読み始めると、共感できる事のオンパレードで、かなりハイスピードで読み終えてしまいました。

書かれている内容が平易なことと、文体のもつリズム感が良いのか、読むことに全く苦労が有りませんでした。

もっとも、そのような読書は成毛氏が避けるべきと指摘しているもので、読書は常に背伸びして、ちょっと今の自分には難しいくらいが良いと主張されておりますので、この度の読書は成毛氏的には、あまり好ましくない、と評価されてしまいそうです(苦笑)。

本書では、大人になったら苦痛を伴う勉強などせずに、楽しくて夢中になれることだけを学べと主張しております。

その根拠として、苦痛を伴ったり、資格を取るまでの勉強など、目標地点を過ぎたらすぐに忘れてしまうし、実際に生きていく上で、ほとんど役に立たないからだと指摘します。

これは私がかねがね思っていたことと同じで、私自身、IT系の資格を取得しても、全く昇級にも昇格にも役立たなかったことを指摘されたようで、苦笑せずにはいられませんでした。

それより、一見現在の仕事に役立たなそうでも、自分が好きで止められない勉強をしていれば、いずれ芸は身を助けるといった現象が起きるであろうと言います。

その例も、興味深いものがいくつか紹介されています。

ただ、注意せねばならないのは、成毛氏が読者の前提としているのは大学卒業の資格を持っており、普通に就職できた人であることです。

低学歴で就職先が決まらないような人は、成毛氏の言葉を鵜呑みにして苦痛を伴う勉強を止めてしまうと、それこそ大きな失敗をしてしまう可能性がありますので、本書を読む場合は要注意です。

第1章では、資格がないといけない、自己啓発しなければ敗者になってしまうと煽る産業のカモになるな、と忠告し、実際にスキルアップを目指して勉強しても、生きる上で役に立つことはほとんど無いことを説明します。その上で、一旦、興味が無いことは止めてみることが推奨されます。

第2章では、現在は記憶量を競うことに時間を費やすことは効率的でも創造的でもなく、むしろ情報に流されずに思考することに注力すべきだと説きます。また、英語などを含めて、実際には役に立たない無駄な勉強やセミナーに時間を割くことが却って効率を悪くしており、一方好きな事なら120%の努力も楽しいのだから、そちらを伸ばすべきだと主張します。

第3章では、これまでにヒットした勉強法に関する代表的な本を検証し、所詮「勉強法」とは娯楽の一種だと割り切るべきであることが説明されます。この章では有名な著者と代表的な著書が批評されており、成毛氏の書評の巧みさに感心させられる章となっております。

第4章では、得意なことで感性を高める勉強に必要な、現代の情報リテラシーの身につけ方が紹介されます。TIPS的な内容になっています。

全体を通して、小気味良い文体で語られており、非常に読みやすく、また著者の実体験を通した考えが述べられているので、共感しやすい本になっています。

逆に、その読みやすさが、読み手が無批判に受け入れてしまう危険を持っていますので、楽しみながらも常に自分に当てはまるのかどうかを検証しながら読んだ方が良さそうです。

ただ、大人となった自分のスキルアップや、自己啓発に意欲がある人にとっては、一旦、現在検討している目標を、今一度見直す良い機会を与えてくれる本だと思います。

もしかすると、既に読者は恐怖産業に洗脳されて、スキルアップ教や自己啓発教の信者になっているかもしれないからです。

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『アナタもKindleでNo1!! 誰も教えてくれなかった! 非常識な出版成功ノウハウ』サニー 久永



Kindleを使うのが面白くて、さらにまたまた150円という安さにつられて、電子書籍を衝動買いしてしまいました。

ちなみに、私はKindle Paperwhite(私のはWiFi仕様)で電子書籍を読んでおりますが、これが予想以上に読みやすいので驚いております。

片手で持っていると、やや重さが気になりますが、本体のサイズや形状は大変に持ちやすく、また、表示されている文字サイズも自由に変更できますし、高解像度のE Inkスクリーンは、紙に印刷された文字よりも読みやすく、パソコンなどのディスプレイよりも目が疲れません。

ということで、どんどん買ってしまいます。紙の書籍も数冊「積ん読」状態になっているというのに、衝動買いが止まらなくなりそうで危険です。

何しろクリック一発で数十秒後には読み始めることができる便利さは、一度知ってしまうとやみつきになります。

──寄り道が長くなりました。

本書のタイトルには「アナタもKindleでNo1!!」とありますが、このタイトルは後から付けたものと思われます。

というのも、読み始めるとすぐに気付くのですが、本書はどうも紙の商業出版での成功例を元に執筆されているからです。

これは憶測ですが、著者は当初、紙の本として商業出版する予定で本書を執筆した可能性があります。それがなんらかの都合でKindleダイレクト・パブリッシングによる自己出版に変更し、内容は見直さずにタイトルにだけ「アナタもKindleでNo1!!」を追加した様に思えます。

従いまして、本書を読んでもKindleダイレクト・パブリッシングでの出版方法や販売方法については、後半にとってつけたように僅かに触れているだけです。

ただ、それではハズレだったかといいますと、そのようなことはありません。

リアルな商業出版で心がけるべき事は、ほぼ電子書籍にも当てはまるからです。

ところで本書は、商業出版すること自体を目的として執筆されていません。ここが本書のユニークなところだと思われますが、本書の目的は、商業出版を、自己ブランディングのツール、もしくは本業のマーケティングのツールとして利用するべきだ、というところにあります。

ですから、全体を通して、いかに出版することで自分や自分の本業である商売の宣伝や集客に利用するか、といった視点で執筆されています。この辺りはやや商売っ気が全面に出過ぎており、読者に依っては不快感を持たれるかもしれません。

私などは、出版自体を目標として読み始めたため、本書の本来の目的である本業へのマーケティングについては、「もう分かったよ」と少々ウザイと思いつつ読みました。

仕方ないなぁと思ったのは読み始めて大分たってからで、著者が前提にしている読者は、会社員ではなく、自営業者なのですね。あくまで起業を目指したり、自営業の売り上げを伸ばしたい、という人を読者に想定しています。

そのため、普通の会社員が商業出版や自己出版を行うための参考書として読まれるには、少々無駄な(無関係な)部分が多すぎるかもしれません。

結論としては、本書は、起業を計画している人、あるいは既に事業を営んでいる人が、自己ブランディングすることで起業を成功させたい、あるいは売り上げを伸ばしたい、と考えている人が読まれることをお勧めします。

会社員の方には、この前に投稿しました、

『キンドルで本を売る。―キンドル・ダイレクト・パブリッシングを通じた個人出版のアドバイス』小林 啓倫
http://tuukinndokusyo.seesaa.net/article/316439337.html

をお勧めします。


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2013年01月26日

『キンドルで本を売る。―キンドル・ダイレクト・パブリッシングを通じた個人出版のアドバイス』小林 啓倫



150円という価格のために、とりあえず一つでも参考になる情報が書かれていれば元は取れるだろう、との思いで購入した電子書籍です。

何しろ電子書籍はワンクリックすれば数秒から数十秒後には読み始められるという手軽さがあるので、読書好きな人には、危険すぎるシステムだと思います。自分も衝動買いが暴走しないように注意せねば成りません。

さて、価格が価格だけに、あまり期待せずに読み始めると、電子書籍を出版しよう(実は既に出版していますが)と考えている者にとっては、予想外に有益な本であることが分かりました。

著者が既にリアルな商業出版でも数冊執筆されているため、Kindleダイレクト・パブリッシングを利用した「自己出版」を、紙による商業出版と比較できる立場にいることが本書執筆で役に立っていることがわかります。

また、この著者は既にKindleダイレクト・パブリッシングのサービス開始早々に『3Dプリンタの社会的影響を考える』という電子書籍を販売しており、本書はその前作の電子書籍を販売した結果を得るまでに経験したことを元に、これからKindleダイレクト・パブリッシングを利用する人に役立ちそうなことを助言するという位置づけで執筆されています。

書籍としてのボリュームが少なめであることは、Amazonの内容紹介の目次を見ていただければ、その項目が少ないことから想像できますし、同じく内容紹介に「日本語 約1万7000字+図表 (A4用紙 約18枚分)」と明記されておりますので、事前に把握できるようにしてあります。

この辺りは、電子書籍を販売する上で今後も重要になってくることだと思われます。というのも、電子書籍は紙の書籍のように、体裁を保つためのページ数制約がないため、極端な話、紙なら不可能な1ページの書籍という販売も可能だからです。

ですから、「お、安いな。」と思って購入したら、紙なら数ページにしかならない電子書籍を買わされて、「ぼったくりだ!」と悔しがるという事態が、既に電子書籍の自己出版では起きているからです。

しかし本書は、価格に見合った内容となっており、決して損した印象はありません。

内容も実体験に基づいた具体的な助言となっており、これからKindleダイレクト・パブリッシングを利用して自己出版しようと考えている人には、必ずや幾つものヒントを得られるでしょう。

ただ、一つ補足しておきますと、本書は電子書籍のファイルの作り方といったテクニカルな内容は含まれておりません。

あくまで、電子書籍の自己出版を行うにあたっての、マーケティング面を重視した内容です。

もし、電子書籍のファイル作成方法などを知りたいのであれば、他の書籍を購入されることをお勧めします。


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2013年01月24日

『維新・改革の正体―日本をダメにした真犯人を捜せ』藤井聡



まずはこの、馬鹿を絵に描いたような不誠実な、そのくせある意味正直ですが志の卑しい人物の発言を紹介します。

「政治家を志すっちゅううのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。その後に、国民のため、お国のためがついてくる。自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければならないわけよ。(略)別に政治家を志す動機付けが権力欲や名誉欲でもいいじゃないか!(略)ウソをつけない奴は政治家と弁護士になれないよ!ウソつきは政治家と弁護士の始まりなのっ!」

何とも品位の無い下品な発言でしょうか。

そう、有名なのでお分かりかもしれませんが、これは橋下徹大阪市長・日本維新の会代表代行の発言です。既に廃版になったようですが、2006年に橋下徹大阪市長が出版した『まっとう勝負!』という本で語っている言葉です。

このような人物が率いる日本維新の会が、この度の総選挙で予想以上に善戦したことに私は恐怖しました。日本人は相変わらず踊らされやすい!と危機感を持ったのです。

私はかねてから、ことある毎にもう一つのブログ『ニュースを読まねば』でも、橋下徹大阪市長が語る新自由主義、あるいは新古典派的な経済政策は、確実に日本を破壊するであろうことを主張してきました。

そして、本書『維新・改革の正体―日本をダメにした真犯人を捜せ』では、道州制も日本を破壊する政策でも有ることが語られます。

さて、本書は、自民党の日本強靱化政策のベースを作った京都大学大学院教授の藤井聡氏の著書です。

藤井氏には著書が多くありますが、本書の特徴は、藤井氏がまるでルポライターの様に、日本の高度成長を支えた3人の人物に取材を行いつつ書かれた事です。

その3人とは、下河辺淳氏(吉田茂総理、池田勇人総理時代に国土事務次官を務める)、宍戸駿太郎氏(田中角栄政権時の経済企画庁審議官を努める)、小里貞利氏(自民党総務会長、故岡井対策委員長、労働大臣、沖縄・北海道開発庁長官、総務庁長官、震災対策特命大臣を歴任)です。

このお三方は、日本の高度成長を支え、尽力された方々です。しかしそれは困難の連続でした。日本の成長を阻む勢力との戦いの日々だったと言えるでしょう。

藤井氏は、上記の方々に行った取材をとっかかりとして、日本の高度成長期の障害となった様々な問題を明らかにしていきます。

その問題を明らかにすることで、現在の日本が停滞している原因を摘出します。

そしてその総論として、改革や維新と言った言葉に踊らされ続けてきた、さらに今後も踊らされようとしている日本人に警鐘を鳴らします。

本書は巻頭でニーチェの言葉を紹介しています。

「人々は、きちんとした論理的な説明を聞くよりは、大げさな身振りで話す人を眺めていたいものなのである。」

いかがでしょうか。思い当たる節が無いでしょうか。例えば、小泉純一郎への熱狂、橋下徹への熱狂はまさに大衆心理を掌握したパフォーマンスにより導き出された思考停止状態です。

第一章では、戦後日本に影響を与えた米国の「日本機関車論」「日本財布論」について解説し、日本の経済政策にどのように米国の思惑が関わっていたかを明らかにします。

第二章では、シカゴボーイズと呼ばれた新自由主義・新古典派経済学が日本の経済成長を阻んだことを説明します。

第三章では、橋本・江田改革という行政改革が、日本の失われた20年を決定づけたことを説明します。

第四章では、新幹線という国家プロジェクトの是非を巡り、公共事業叩きを行うマスメディアの構造を説明します。

第五章では、朝日新聞の「くたばれGNP」キャンペーンを例に、日本を共産化しようとしたイデオロギーが存在したことについて説明します。

第六章では、改革が日本をダメにし、ニューディールこそが日本を成長させることを説明し、維新や改革という言葉に踊らされやすい日本人に警鐘を鳴らします。

少々長めの後書きは、日本をダメにしたのは誰か、他でも無い私たち日本人である、ということが述べられ、改めて未来のために、何をすべきかが示され、感動します。

本書は、日本維新の会を支持している人たちには、絶対に読んで欲しい本です。


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2013年01月19日

『電子書籍を無名でも100万部売る方法』ジョン ロック



2012年10月から、いよいよ日本でもAmazon Kindleダイレクト・パブリッシングが運営開始となりました。

これまで数百万円を掛けなければ自費出版(書店への配本も含む)はできませんでしたが、Kindleダイレクト・パブリッシングを利用すれば、無料で自分の著書をAmazonで販売できる様になりました。

これは、これまで費用が掛かることで出版を躊躇していた人達に、大きな市場を提供することになります。

このタイミングを見計らって販売されたのが本書です。

本書のことは、Kindleストアで販売されている電子書籍として知っていたのですが、何しろ注文したKindleが当分届きそうにありませんでした。

しかし、既に電子書籍の第一弾(といっても実験的にですが)を公開した自分としては、気になって仕方が無いタイトルの電子書籍でした。

やはり実験的とは言え、作品をAmazonで公開した以上、少しでも多くダウンロードされたいわけです。

そこで、本書を読めば、少しでも自分の作品のダウンロード数を増やすヒントを得られるのでは無いかと思い、Kindleを入手し次第、購入するつもりでおりました。

そのような折に、本書の電子書籍版での売り上げが良かったためか、紙の書籍としても販売されることが決まったことを知り、急ぎ購入した次第です。

本書の著者であるジョン・ロック氏は、米国でのKindle自己出版(インディーズ作家と呼ばれています)で無名で有りながらベストセラー作家になったという方です。

本書はこのジョン・ロック氏が、どのようにして無名でありながらも自分の電子書籍をベストセラーにしたのかが、経験談と共に記されております。

本書のタイトルは、過激にも「100万部売る」となっていますが、これは誤解を得やすい部分です。

決して嘘では無いのですが、一つの作品で100万部打ったのでは無く、ジョン・ロック氏の複数の作品の合計が100万部を超えたと言うことです。

それでも、一つ一つの作品がそれぞれ10万前後のダウンロードを記録しているので、間違いなくベストセラー作家と呼べます。

実は本書で公開されているマーケティング手法は、インターネットビジネスを行っている人にとっては決して目新しい手法ではありません。むしろオーソドックスなインターネットマーケティングです。

ネタばらしにならない程度に触れると、Twitterとブログを利用した集客と、作品毎のホームページを用意し、そこに投稿フォームを設置して読者とコミュニケーションを取りながらファンを増やしていくという方法です。

むしろ、地味な手法であると言えます。

実際、ジョン・ロック氏がベストセラーになった秘密は、決してまねできないことではありません。

しかし、非常に地道な活動が必要であるため、基本的に怠け者の私には、そのまま真似ることは無理でしょう。

ただ、考え方は分かりましたし、一部は実践できそうですので、今後試してみようかと思っています。

また、非常に興味深かったのは、ジョン・ロック氏は自分のマーケティング手法を確立するまでは、一般的な広告に多額の費用を投じています。

書店へのポスター、新聞広告や取材、プレスリリース、ラジオインタビューなどの広告です。ジョン・ロック氏はこれらの従来のマーケティングに約200万円を投じましたが、全く効果が無かったと言います。

そしてその後の試行錯誤で、結局ほぼ無料に近いインターネット上のツールを使った告知活動が、ベストセラーに結びついた事を明らかにしています。

Part1では、著者がインディーズ作家としてデビューしたことから、従来のマーケティングが役に立たなかったことの体験談が語られます。

Part2では、インディーズ作家にとって役立つマーケティングの概要について説明します。

Part3では、Part2で概要を説明したマーケティングの具体的な例の説明と、売れる作品(コンテンツ)作りのヒントについて触れます。

本書はあくまでマーケティングを説明している本ですので、Kindleダイレクト・パブリッシングの利用方法や、電子書籍のファイル作成に関するような内容は一切含まれません。

ただ、これから電子出版を行おうとしている人にとっては、知っておいて損の無い情報が含まれた本であることは間違いないでしょう。


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2013年01月15日

『空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略』松島 大輔



タイトルに騙されてしまいました。残念な本です。

しかしAmazonのレビューはどれも非常に高いので、私だけが本書の良さを分かっていないのだろうか、と少々不安にもなります。

本としてのボリュームや著者の貴重な体験に基づく分析には一見の価値はあると思われますが、まるで企業の海外進出が、国内の空洞化にはなっていない、と言い切っている本書のタイトルには偽りありです。

本書を読んでも、海外進出(著者は現地化と呼ぶ)が、国内の経済発展に貢献したり、空洞化をむしろ防いでいる、といった論証はなされていません。

このタイトルを見て本書を読もうとされる方は、きっと企業の海外進出が国内の雇用を増やすなどの仕組みがあると期待するでしょう。確かにそれ「らしき」説明も僅かにありますが、実は本書ではそのようなことを証明しているわけではありません。

ただ、ひたすら、「もはや日本はだめだ、海外に出よう」といった扇動的な内容になっています。とにかく前提が「日本にはもはや可能性は無い」論です。

しかし本書を読めば読むほど、企業の海外進出は日本経済を豊かにするといった仕組みは見いだせません。

勿論、本書は日本経済をよくする為の処方箋を書いている訳では無く、あくまで企業家目線で、アジアの新興国に活路が見いだせますよ、という内容ですから、日本に利することが書かれていなくても問題は無いのです。

ただ、タイトルで「空洞化のウソ」と掲げていることが問題になります。

通常、出版物のタイトルは著者ではなく、出版社が付けるものですから、著者に読者を騙す意図は無かったかもしれませんが、出版社には問題ありです。

また、本書は新書としてはかなり文書量が多いのですが、結局同じ事を繰り返しているばかりに思え、そのためか睡魔との戦いの連続でした。

また、著者の矛盾は、企業(主に製造業)は日本での厳しいだけの「無駄」な競争をせずに、新興アジアで勝ちやすい競争に参加すべきだ、と主張しておきながら、日本の企業の強さは国内での厳しい競争により磨かれていたなどと称賛していることです。

個人的な結論としては、少々無責任で扇動的な本という評価をさせていただきます。

第一章では空洞化は、海外進出をためらう理由にならない、または企業の海外進出は国内にも良い影響を与えているというテーマになっていますが、非常に根拠が薄く、説得力はありません。当然、驚くような仕組みが説明されているわけでもありません。この最初の章で、かなり失望させられました。

第二章では、新興アジアこそが稼げる場であって、もはや日本に「引きこもっている」企業はだめだ、と決めつけています。

第三章では、アジアを日本化し、新興アジアで日本の技術が入っている製品を作りまくれと扇動します。

以上、タイトルから想像される内容を期待しなければ、一つの貴重な体験談として読めるかもしれません。


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2013年01月13日

『マルティン・ルター――ことばに生きた改革者』徳善 義和



自然災害がいとも簡単に人命を奪い、資本主義はただの守銭奴主義へ暴走を始め、世界は再び領土争いの兆しを見せ、政治は利権獲得の亡者に振り回されといった混迷の時──。

無性に、真摯にまっすぐ生き抜いた人のことを読みたくなりました。

そこで頭に浮かんだのがマルティン・ルターです。

そんな折り、昨年の6月に本書『マルティン・ルター──ことばに生きた改革者』が発売されていることを知りました。

迷うこと無く、ネットで注文しました。書店で探すのももどかしいと。

マルティン・ルター。

この日々気持ちが浮き足立っている今の自分の重石として、これほど適した人物の生き方はないであろうと、読み始めました。

マルティン・ルターの名を、知らない人は少ないでしょう。私たちは義務教育で学ぶからです。15世紀から16世紀に実在した宗教改革者であると。

しかし、この人物がキリスト教のみならず、ヨーロッパ、あるいは人類の歴史に与えたインパクトの大きさを知る人は少ないのではないでしょうか。

私はクリスチャンではありませんが、どこかでこの人物が世界に与えた影響を、私も受けているはずです。

それほどの巨星と言えます。

しかし、その生涯は、実に真摯で地道でひたむきな人生でした。マルティン・ルター本人には、人類史上に名を残そうだとか、インパクトを与えようなどといった功名心や野心は(恐らく)全く無く、ただ自分の信仰のあり方を、愚直なまでに追求しただけの日々を暮らしていただけです。

しかし、世間がそれを許さず、時代が彼を求めました。

さて、本書は日本にこけるマルティン・ルター研究の第一人者である徳善義和氏(ルーテル学院大学、ルーテル神学校名誉教授)です。

この権威有る著者が、実に優しく、キリスト教の基礎すら知らない人を想定したと思われるほど丁寧に、マルティン・ルターとその時代、宗教改革について執筆されています。

その結果、本書はかけがえのないマルティン・ルターの入門書、あるいは宗教改革の入門書となっています。

本書を読み始めるとすぐに感じるのは、実に静かな文体の中に、マルティン・ルターの情熱だけでなく、著者の情熱をも感じることです。

ですから、私にとって大きな収穫だったのは、マルティン・ルターのひたむきな人生の一片に触れることのみならず、著者の同様のひたむきさにも心を打たれたことでした。

読み進める内に、心の淀みが澄んでいくような錯覚さえ持ちます。

著者は本書で、キリスト教を布教する気は全くありません。ましてプロテスタントの教義が優れているなどといった説教じみた語りかけも一切していません。ただ、淡々と言葉の大切さを訴えます。

著者は終章で記しています。途中を抜粋します。

──現代の人間にとって「言葉の回復」が、緊急かつ究極の課題だと思っている。このことを心の内に思いつつ、「ことば」が生きるために、生涯を賭し、歴史を動かしたルターの姿をここに書きまとめてみた。一人ひとりが自らの生き方の拠り所となる言葉をもち、そのことばに立って、生のどの領域でも、心を開き、心を込めて、語り、聴き、書き、読み、行動していくことが求められていると思うところ切だからである。
 東日本大震災と原発事故による被災に直面して、私たちの多くは、ことばを失うほどの衝撃に打たれた。この経験はしかし、かけがえのないものとしなくてはならないだろう。その道のりのなかで「ことばの回復」は、人と人との間で心を開き合ってこそ可能なのだ、ということを体験するからである。──

80歳というご高齢で、どうやら視力にも問題を抱えながらの執筆だったようですが、マルティン・ルターの研究に注いだ情熱は、確かに読者を感動させます。

序章では、マルティン・ルターが生きた時代背景としてのキリスト教の成り立ちを極簡単に説明し、マルティン・ルターが持った使命感について触れます。

第1章では、マルティン・ルターの生い立ちから修道士を目指した経緯について書かれています。

第2章では、カトリックの権威や免罪符、数々の秘蹟についての疑問や、宗教専門家しか読めない聖書の本当の教えが人々に伝えられていないことへの疑問を抱いたマルティン・ルターが、95箇条の提題という1枚の文書を作成したことが歴史を変えようとする瞬間を捕らえます。

第3章では、自分の信仰に忠実であるために巻き起こるカトリック権威との軋轢、そしていよいよ宗教改革という嵐の中心になっていく状況が描かれます。

第4章では、聖書に忠実であろうとする結果、それまでのカトリックの慣例を破っていくルターの姿が紹介されます。ここでは、ルターが賛美歌の始まりを作った音楽家の一面や、聖職者でありながら妻帯し、子供を持つという、当時のカトリック聖職者の間では考えられなかった行動も紹介されます。

第5章では、宗教論争に対応しながらも、ひたすら聖書を読み、そのことで得られた解釈を人々に伝え続ける愚直なマルティン・ルターの晩年が語られます。

終章では、死にいくマルティン・ルターが伝えようとしたことは何か、改めて問いかけます。

新書でありながら、心洗われるような名著です。


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2012年12月24日

『ひと目でわかる日韓・日中 歴史の真実』水間 政憲



ネットで注文したので、届いた実物が大きい(ほぼA5サイズ)ことに驚きましたが、ページをめくるとすぐにその必然性が分かりました。

一次資料の掲載が豊富なのです。写真、地図、当時の記事の切り抜きがふんだんに掲載されているため、どうしてもこのサイズになります。

但し、ページ数は約130ページと少ないため、通勤電車の中でも片手で持って読むことに全く支障はありませんでした。

水間政憲氏の著書は、以前『いまこそ日本人が知っておくべき「領土問題」の真実 国益を守る「国家の盾」』を読みましたが、今回の著書は領土に関してはかなり重複しております。

しかし、前著と異なり、今回は文字よりも資料の掲載に重きを置いているので、お得感があります。

また、今回の著書では、領土問題の他に、従軍慰安婦捏造と南京大虐殺捏造について多くの資料を掲載しております。

現在、世界中を洗脳すべく、中国と韓国が日本の歴史をねじ曲げて広報活動を盛んに行っており、その状況を見る度に我が国の広報活が消極的であることに歯がゆい思いをしておりますが、最も心配なのは、我々日本人自身が洗脳されてしまうことです。

既に一部では成功しており、さらに洗脳の片棒を担いでいる日本人が、それも教育の現場にまで居ることに恐怖を感じます。

例えば東京書籍の『日本史A』には次の文が記載されています。

「……日本の植民地や占領地では、朝鮮人や中国人・フィリピン人・ベトナム人・オランダ人など、多数の女性が『慰安婦』にかりだされた。」

そのほかの実教出版『日本史A』、第一学習社『日本史A』、山川出版『日本史A』などにも同様の記載がいあります。

韓国の捏造した自虐歴史を日本の子供達に洗脳しているのです。また、南京大虐殺という大インチキも、子供達は教え込まれています。

以下の文章は実教出版の『日本史A』からです。

「日本軍は南京市外で捕虜・投降兵をはじめ女性や子供を含む中国人約20万人を殺害し、略奪・放火や女性への暴行をおこなった」

全くのデタラメです。これが日本の子供達に事実として教え込まれているのです。教育界が亡国の徒に占領された感があります。

しかし本書『ひと目でわかる日韓・日中 歴史の真実』では、これらの捏造を一次資料を示すことで分かり易く簡潔に明らかにして見せてくれます。

例えば南京難民区で保護されている中国人達が屈託の無い笑顔を日本人に向けている写真や、数字による記録も示されます。大虐殺が繰り広げられた南京城内では、その間に人口が5万人も増加していると言います。

これは、日本軍が占拠したことで、治安が良くなったことを知った中国人達が増加したためです。ここで起きた残虐な行為は、実は蒋介石軍によるものだったことが考えられるのです。

また、従軍慰安婦についても当時の韓国の新聞や日本の新聞から、女性たちを騙したり脅したりして慰安婦にしていたのは、朝鮮人たち自身であったことや、朝鮮人による性犯罪を必死に日本軍が取り締まっていたことが明らかです。

朝鮮人は、これほど明らかな歴史の事実を隠し、なぜあれほど堂々と捏造した歴史を語れるのか不思議でなりません。

従軍慰安婦に関しては、私はブログにも投稿しました。

『韓国の破廉恥さには目眩がする。性的犯罪国家は韓国である』(2012/09/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/294844966.html

『(続)韓国の破廉恥さには目眩がする。性的犯罪国家は韓国である』(2012/10/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/297727339.html

本書の企画は、著者に届いた地方の医者からのメールがきっかけになったということです。

それは、待合室などで手に取りやすく、誰にでも分かり易い日中韓の歴史の真実について書かれた本が欲しいという要望でした。

つまり、本書は、病院、理髪店などの待合室に置いて欲しいと書かれています。

しかし、私は、本書こそ、小中高の図書館に、しかも大量に学生たちの副読本として置いて欲しいと思います。いや、それでも足りません。いっそ、授業で使う教科書の副読本にしてほしいとすら考えます。

いや、その前に、すっかり亡国の徒となり自虐史を教えている教師達を再教育する必要があります。

本書は、一次資料が豊富なので、我が家の保存版資料とすることにしました。

また、日本中の方に、一度は目を通しておいて欲しい本でした。


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『私にはもう出版社はいらない~キンドル・POD・セルフパブリッシングでベストセラーを作る方法~』アロン シェパード



米国で先行しているセルフパブリッシングで、本を出版して売りさばく方法について、著者自らの体験に基づき書かれた本です。

実は自分でも先日、いよいよ日本でも始まった「Kindleダイレクト・パブリッシング」のサービスを早速活用して、自己出版(費用がかからないので自費出版では無い)を始めましたが、この後も続ける予定ですので、その際の参考になるかもしれないと思い購入した本です。

何しろタイトルに「キンドル」というキーワードがありましたので、それにつられました。

しかし、本書のほとんどを占めているのは、POD(Print On Demand)という手法についてであり、これは紙に印刷され製本された本を、オンデマンドで印刷して販売する方法です。

これについては事細かく書かれていましたが、日本では流行りそうもありません。

そのため、面白い本ではありましたが、購入に至った目的は満足させることが出来ませんでした。

私が知りたかったのは、Kindleダイレクト・パブリッシングを利用した電子書籍を作って販売する際のマーケティング的なことでしたので、それらはむしろKindleでランキング入りしているいくつかの電子書籍を読んだ方が良さそうです。

以上の様に、個人的な思惑からははずれた本ですが、帯に書かれている「これは非常に恐ろしい本である。なぜならこの本に書かれていることは、これまでの伝統的な本の売り方を全否定したうえに成り立っているからだ。」というコピーに偽りは無いと思います。

ただし、日本においてはそれはPODではなく、Kindleダイレクト・パブリッシングのような電子出版においてだと思われます。

第1章では、PODの仕組みや利用方法から、アマゾンで販売するための仕組みについて説明されます。

第2章では、セルフパブリッシングで売り上げを伸ばすための工夫について説明されます。

第3章では、アマゾンのアカウント取得方法から、利用方法が説明されます。

第4章では、アマゾンのサービスをマーケティングに生かすワザが紹介されています。

第5章では、在庫管理やランキングから何を読み取るべきか、という教訓や市場調査の方法が説明されています。

第6章では、アマゾンでの販売に集中することで売り上げを伸ばすことについて説明されています。

第7章では、書きっぱなしではなく、改定するべき理由について述べられています。

第8章では、アマゾンを使って世界を相手に販売することを目指せることが紹介されています。

以上、本書はやや日本の出版事情や電子出版事情にはそぐわない内容が多いですが、自分の作品を世に出したい、という人にはインスパイアされる本だと思います。

いよいよ日本の電子出版でも、自己出版のベストセラーが出始めました。来年はますます電子出版による自己出版が普及するでしょう。

と、ここで以下は宣伝です。私の電子書です。ペンネームを変えていますが、いずれも私が執筆しています。
よろしかったらお読みください。






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2012年12月23日

『サラリーマン受難の時代に捧げる──ゆる〜い知的副業のススメ!〜アフィリエイトから情報起業、商業出版、電子出版まで〜』[Kindle版] 加来 秀一



今回は拙著を紹介させていただきます。

Amazonで電子書籍を公開しました。

自分の体験を元に、日々頑張っているサラリーマンや主婦、学生に向けて応援するつもりで執筆しました。

詳細は、Amazonサイトから引用した下記の通りです。

何卒、よろしくお願いします。


【内容紹介】

 サラリーマン受難の時代です。いや、サラリーマンになることも簡単では無い時代です。
 しかし現在の給料に不満があるからといって、転職はリスキー過ぎます。却って給料が下がる可能性がありますし、試用期間で解約されたら失業してしまいます。
 それでは頑張って、昨今流行の自己啓発やスキルアップ、資格取得で給料を上げられるのでしょうか。残念ながら、これも難しいのが現実のようです。
 結局自己啓発や資格取得も、一部の著者やコンサルタント、資格講座の業界が煽っているだけのようにも思われます。
 それではここは一念発起して、独立しよう、起業しよう、という方も多いでしょう。大いに結構です。夢もあります。
 しかし、起業するにはアイディアだけでなく、暫く儲けがなくても食べていけるだけの資金、売り上げを上げる仕組み作り、営業力など、様々な努力と運と才能が必要です。

 一体どうすれば良いのでしょうか。

 結局、本業を辞めないままで、副収入を得ることが最もリスクがすくないと考えられます。それも、きつい仕事を副業に選んではいけません。本業に支障が出てしまいますし、せっかく副収入を得られても、豊かな生活を得られないどころか、過酷な日々が待っているだけだからです。

 それでは、「ゆる〜い知的な副業」はいかがでしょうか?

【目次】

サラリーマン受難の時代に(前書き)

目次

副業時代がやってきた
 会社の副業禁止規則
 副業を奨励する企業

副業せずにいられるか?
 給与をアップできるか?
 自己啓発にも限界がある
 転職は時と場合による
 夢の独立・起業はハイリスク
 もはや副業しかないのだけれど

知的副業の検討
 私たちには武器がある!
 サーバーに営業させるという発想
 情報に働かせるという発想
 作品に働かせるという発想
 決済手続きもサーバーに任せるという発想

知的副業で得られるもの
 まずは副収入
 新しい知識

アフィリエイト
 結構知力が必要?
 メルマガアフィリエイト
 メールマガジンの利点
 メールマガジンの読者を増やすには
 無料レポートの利用
 ブログアフィリエイト
 アフィリエイトを目的とするブログに様々な工夫

情報起業
 最も稼ぎやすいインターネットビジネス
 あなたの経験や趣味が生かせる
 販売活動も無料でできる
 ドメインの取得は必要か
 ASPへの登録
 商材作成
 セールスページ作成
 ASP登録
 販売金額
 他の商材を購入してみる
 情報商材業界は衰退する?

商業出版
 サラリーマンであることすら貴重なネタ
 文芸作品よりもビジネス書が狙い目?
 あこがれの週末作家

電子書籍出版(Kindleダイレクト・パブリッシング)
 これまでの電子書籍出版
 Kindleダイレクト・パブリッシングが始めたこと

文章を書くということ
 とにかく書く


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2012年12月09日

『陰謀論とは何か』副島 隆彦



え?これ新書でいいの?という程軽いノリの副島隆彦氏と編集者の会話から始まる本です。

タイトルの割には少々笑えます。所々で副島隆彦氏がムキになって自分の功績を主張している辺りは、なんだか子供のようでほほえましいです。

と、以上は全体の印象です。

内容は、「陰謀論」は荒唐無稽だが、その元になったconspiracy theoryは「権力者共同謀議理論」と訳すべきで、その訳の範囲であれば、現実に起きていることであろう、と著者は考えております。

ただ、日本で流行っている宇宙人やら爬虫類人やらが人間を支配しているのだと言った陰謀論は荒唐無稽だとして区別しています。

副島氏の主張は、簡単に言えば、「その時代で最も金を持っている連中が世の中を見えないように支配している」というものです。

これは確かにありそうです。ですから私たちはすぐに、ロスチャイルドによる陰謀論を思い浮かべてしまうのですが、いや、実はロスチャイルドの時代はとっくに終わっており、今はロックフェラーこそが世界の人事を動かしている、と副島氏は言います。

また、前半では陰謀論の系譜を振り返り、Wikipedia(このサイトさえも怪しいと副島氏は言いますが)で紹介されている陰謀論を一つ一つ評価していきます。

いずれも有名な陰謀論で、「ユダヤ陰謀論」「新世界秩序陰謀論」「財閥陰謀論、王室陰謀論」「アポロ計画陰謀論」「地震兵器陰謀論」「中央銀行陰謀論」「ノーベル賞陰謀論」「冷戦やらせ説」「日露戦争陰謀説」「ホロコースト捏造陰謀説」「真珠湾攻撃についての陰謀説」「イラク戦争陰謀説」「ジョン・F・ケネディ暗殺についての陰謀説」「ダイアナ元英国皇太子妃暗殺疑惑」「エイズウイルス陰謀説」「新型肺炎SARS、鳥インフルエンザ陰謀説」です。

いかがでしょうか。これらの一つ一つを、果たして荒唐無稽か、真実か、副島氏が評価していきます。これがなかなか面白いです。

そして陰謀論といえば取り上げない訳にはいかないイルミナティ=フリーメイソンについては、特に章を設けて解説しています。

この本で、はっとさせられた副島氏の指摘は、陰謀論は「癒やし」なのだという事です。これは分かります。確かにままならない世の中を、何か巨大な陰謀によるものだと考えることは癒やしかもしれません。

第1章では、「陰謀論」とは何か。どのような系譜があるのか。何処までをまともに取り扱うべきか、そして著者はどのような立ち位置に居るのかを説明します。

第2章では、1980年代に日本を席捲した太田竜と宇野正美の陰謀論とは何だったのかについて振り返ります。

第3章では、現代にアメリカから発生した「権力者共同謀議」論とはどのようなものかを、その担い手達を紹介しながら読み解いていきます。

第4章では、陰謀論では避けて通れないイルミナティとフリーメイソンの歴史的な成り立ちをたどっていきます。

第5章では、副島氏が自らの功績と自画自賛する、「人類の月面着陸は無かったろう論」を取り上げ、どのようにして世界的な嘘が生まれたかについて語っています。

陰謀論が好きな人には当然面白いですが、普段、陰謀論を読まない人にも面白いかもしれません。

ただ、陰謀論を客観的に見るのでは無く、どっぷり浸かりたい、という人には、『Mr.都市伝説 関暁夫の都市伝説(4)』関 暁夫著をお勧めします。

関氏の本を、私は立ち読みで楽しみましたが、『Mr.都市伝説 関暁夫の都市伝説(4)』を読んでいるときの私は、確かに「癒やされて」いました。


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2012年12月08日

『迫りくる日中冷戦の時代 日本は大義の旗を揚げよ』中西 輝政



読み終わると、予想以上に恐ろしい現実が迫っていることを知らされました。そして、そのことに気付いていなかった愚かさに痛恨の思いです。

私たちは、中国という国が嫌いかもしれませんが、どこかで「同じ人間だ」「同じアジア人だ」「まだまだ途上国だ」「見せかけの大国だ」「日本経済無しでは立ちゆかない国だ」などと思うことで、本当の危機から目を逸らしてきたのかもしれません。

しかし、中国は恐るべき周到さで着実に日本を「奪取」する行動を起こしています。尖閣諸島がとられるかどうか、といったレベルで考えているのは日本人だけで、かの中国は、「日本を開放する」計画を持っています。つまり、日本自体を中国の領土とすることです。

「そんなばかな。」

と思ってはいけません。中国人は、異星人だというくらい、我々とは異なった価値観や行動様式を持っています。

そのことに、私自身ぼーっとして忘れかけておりました。日々のニュースで、いかにに日本が危険な状態にあるのかを目にしながらです。なんたる平和ボケでしょうか。次々と起きている日中の事件のその本質が見えていないのです。

いまやアジアで中国を主役とした冷戦が始まりつつあります。一党独裁の中国の膨張欲は、私たちが思っているほど慎ましい物ではありません。想像を絶する貪欲さを持っています。

本書はそのことを思い出させてくれる渾身の警告書です。

そして恐るべきは、既に日本国の中枢に、中国の尖兵が入り込んでいることです。

2012年8月27日、北京市内で日本の丹羽宇一郎駐中国大使が乗っていた公用車が襲われて、国旗が奪われたが、その丹羽大使は、大使に就任する前に作家の深田祐介氏に語っていたそうです。

「日本は中国の属国として生きていけばいいのです」

日本は今、崖っぷちに居ることを実感します。

また、経団連などを見ていると、本書でも紹介されているレーニンの言葉が実感を持って理解出来ます。

「資本主義の経済人は、金儲けのためには自分を吊す縄まで売る」

しかし中国にはまだ弱点がある、既に弱小国となった日本にも使える武器がある、と著者は述べます。それは、本書をご覧ください。

第1章では、米中の新たな冷戦が始まったことを述べます。その中で、経済依存関係が平和を維持するためには役立たない事実が述べられます。

第2章では、中国の宗主国思想に基づくアジア全体への支配欲がどのように実行されているかを述べます。

第3章では、想像以上に進んでいる日本奪取の現実について述べます。ここから背筋に寒気が走る内容になります。既に皇室にまで及んでいる中国の工作、工作がほぼ成功したマスコミなど、驚愕の事実を突きつけられます。

第4章では、中国共産党という化け物が成長するために、日本が荷担してきた事実を述べます。

第5章では、絶望的とも言える状況の中で、僅かに見える希望について述べられます。

中国人を同じ地球人だと思っている人には、是非とも読んで欲しい本です。

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2012年12月03日

『幻術記』の感想紹介

初めて公開した拙電子書籍『幻術記』について、「読書メーター」でesper様より
「★★★★★」
をいただきました。

http://book.akahoshitakuya.com/b/B00A27JLDI

非常に嬉しいですね。

来年中にオリジナル小説を1作品公開しようと考えているので、大きな励みになります。

以下、esper様のコメントを引用させていただきました。

──引用──

役小角〜天海まで、日本の呪術の使い手が広く紹介されていて面白い。
昔の術者の力量が良く分かる作品だった。内観をしていると周囲が幻覚を見てしまうなどは、もはや内観ではない。
ところで、天台宗から強力な使い手がかなり出ているのが意外だった。
術者としては空海に及ばなかったであろう最澄だが、習得システム、組織構築という点ではやはり非凡なものを持っていたのだろうなと感じる。

──ここまで──

初めての電子書籍で高評価をいただいたため、商業出版のとき以上に、はしゃいで投稿してしまいました。




posted by しげぞう at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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